投稿日: Jul 13, 2010 11:3:40 PM
メディアビジネスって何?と思う方へ
20世紀はメディアの世紀と言っても良いほど、メディアは産業として大きく発達したし、社会や人々の生活の隅々にメディアはかかわるようになった。しかし21世紀のデジタルメディアはケータイやiPadがベッドにまで随行するように、既存メディア以上に人々に密着するものとなりつつある。ビジネスにおいてもメディアは単なる広報宣伝ツールではなく、メインビジネスの効率化にデジタルメディアは必須となった。しかしこの潮流に誰もが乗っていけるわけではなく、デジタルメディアとうまく付き合えるかどうかは今後のビジネスの試金石である。
Q: メディアビジネスとは?
かつてはマスコミから~タウン誌に至るミニコミなどがメディアであり、その発行を通じて購読や広告で収益を上げるものがメディアビジネスであり、放送もその延長であった。企業でもマニュアル作成やPR誌を出したり、教育産業が教材を作ったり、通販会社がカタログを発行したりなど、事業会社も本業を支えるメディアを作るようになっている。またこれらの企画制作支援サービスもメディアビジネスの一翼である。つまり娯楽であれ、学習であれ、商行為であれ、メディアを通じて人とコミュニケーションをすることでビジネスを成立させているところはメディアビジネスの範疇に入る。デジタルメディアとネットの登場以降はコミュニケーションが必要なビジネスは多かれ少なかれメディアビジネスに抵触しつつある。
Q: ビジネスにおけるメディアの重要性は?
従来のマスメディアは一方通行の情報伝達なので、どのように受け手に到達しているか、その効果はどうかの把握は十分にできず、別途マーケッティングリサーチを行って情報捕捉している。ネットメディアになってからは双方向なので、事業会社がマーケティングを外部に依頼していたものが、自社デジタルメディアを作って置き換えはじめ、それはメインのビジネスの一翼になりつつある。実はすでに生活者の方に先にデジタルメディアは浸透するという逆転現象があり、企業が今行っている従来コミュニケーション方法の立ち遅れの方が問題になのである。だから事業会社はメディア戦略を見直して、生活者のデジタルメディアリテラシーに追いつくようにしなければならない。
Q: ソリューションは何か?
従来は外部任せであったメディア問題を見直して、コミュニケーションの問題としてビジネスプランとメディアプランを同時に作るように、ビジネスとメディアの間の深い関係構築が必要である。経営の段階でメディアに取り組むCIOのような存在が必要になる。このようにしてビジネスの成長に合わせてメディアも、そのシステムも成長させていかなければならない。従来の企業の基幹システムは常時変更するには向いていないが、インターネットとともに発達した情報システムやソーシャルメディア、またクラウドのサービスは、基幹システムの機動力不足部分を補うことができるので、ビジネスがITシステムに縛られることなく発展できるものになりえる。こういったベースの上にメディア戦略を移行すべき段階に来ている。
Q: どんな人材が必要か?
従来のIT化は社内業務を分解して効率化していたが、メディア戦略としてはそれだけでは不十分で、顧客まで含めたバリューチェーン全体を分解して、顧客やサプライヤーとのコミュニケーションのパフォーマンスを向上させることが課題である。
こういったことを自分のビジネスを実験場として試行しながら、方向性を考え、ロードマップを作り、パートナーを見つけ、システムや業務の発注をし、経営管理を行える人材が必要である。言い換えるとメディアを活用した新たなビジネスモデルとして事業の「リ・パッケージング」をして、IT投資がコミュニケーションデザインとうまく噛み合って、ビジネスを好循環にもっていくリーダーが必要である。