投稿日: Jan 14, 2014 1:21:21 AM
チャンピオンの寿命
10年前は花形で多くの成長企業を産み出す元となったPCやWindowsの売り上げが下がって、会社としてもGoogleやAppleが今は稼ぎ頭になっている。しかしG社やA社の10年後を考えると、現在のままいつまでも推移するとは思えず、やはり市場が飽和するとともに衰退する可能性もある。すでにモバイルの世界は飽和に近づいている。だからもう情報機器の時代は終わりで、あらゆる「モノ」にITが使われて、それがネットにつながって、モバイルでもコントロールできるようになるだろうと考えられている。
今でもスマホなどをリモコン代わりに使って操作するものが次々と開発されていて、その方向は間違いないだろうが、ではそこでG社やA社にどんなリターンが有り得るのか? G社はこういう状況に備えてたとえばGoogleMapとかも充実させ、A社もその後を追うように地図会社を買収して地図サービスを始めたりした。しかし現状ではそれでどのように収益を得ていくのかははっきりしない。今は広告モデルもあるが、世界の地図情報をメンテナンスするとなると、それにかかるコストは膨大なはずで、広告ビジネスが本命ではないはずだ。
モバイルデバイスの普及も地図情報などもインフラであって、その上にいろいろなビジネスを発明していかなければならない。それはG社やA社に限らずいろいろな産業を巻き込んで展開されることになろう。その中でやはりキモとなるサービスとかビジネスをG社やA社が提供しないと求心力を得られない。マイクロソフトの場合は多様なデバイスとの接続とかサーバーとかMSオフィスとかいくつかのキモをもっていたようなことであって、キモのないOSとかMSオフィス互換ソフトだけではマイクロソフトに対抗できなかったのと同じだろう。
つまりG社やA社は社外に次々に興ってくる世界のベンチャーと協力をしながらも、彼らをリードする人材が社内に必要で、その人たちは世界のベンチャーのトップクラスの働きをしなければならない。これはかつてのマイクロソフトもそうであったわけだが、企業が肥大化するとともに有能な人もたくさん雇用したはずなのに、社内からトップクラスのベンチャーが出なくなる傾向にあった。というかトップクラスの人は肥大企業からスピンアウトしていくのである。
今すでに肥大化してしまったG社やA社が直面する問題は、やはりそのようなものになってきているのではないか?