投稿日: Apr 08, 2013 12:57:3 AM
本当に必要な情報は何かと思う方へ
もうWebの歴史も20年になろうとしている。20年前にカンファレンスでアメリカに行った時に、人々がモゼイ、モゼイとしきりに話題にしていたが、最初は何のことだか分からなかった。日本に帰ってきて調べて、インターネットにWorldWideWeb というのがあって、それを見るアプリケーションがモゼイ(Mosaic)だったのである。これはUnixユーザが使うものだったのが、Windows3.1でも使えるようになった時のことである。用語の変化としては、モゼイ → WWW → Web という順番で広まっていったように思う。それまでのインターネットの主な用途はメールとそれを使ったニューズグループで、これらはパソコン通信の延長ともいえるサービスだった。
それまで通信のサービスは接続サービスとも言えて、どこかにつないであげることが最大のサービスだった。例えばデータベースとかパソコン通信のホストへの接続である。しかしインターネットになって接続は完全に自由化されてしまったので、接続と情報サービスのセットという関係は壊れ、インフラ以外は情報サービスに軸を置くようになったし、インターネットによってサービスのエリアはWorldWide になった。最初のうちは、このエリアの広がりから発想するサービスが多かったが、次第に狭いエリアのサービスが出てきて、ソーシャルメディアの登場から、さらにスマホで狭いコミュニケーションのLINEのようなものが登場した。
つまりGoogleやfacebookでも顕著なように、ものすごく私的なコミュニケーションから世界規模の気象情報や大災害対策までWebは20年間でカバーするようになった。ビジネスモデルとしては大規模なものが大きなお金が動くので、Amazon、楽天を筆頭に大きな開発が先行するのだが、生活者の活動範囲の規模のところは後回しで未発達である。だから意外に印刷物の多くが扱う何千規模のコミュニケーションはまだネット化していない。リアルでフェーストゥフェースのところにはネットは不要なのだろうか?
そんなことはなくて、日常的にはケータイやmixiの発達のように、生活者のコミュニケーションの多数はリアルな関係とともにある。それがビジネスモデルにはつながっていないだけである。ところがネットスーパーはそういった超ローカルな生活圏でのネットビジネス化をした例で、超ローカルサイトの運営さえなんとかなればきっと生活圏のポータルというのはアリだろう。つまりなかなか専任者を置くことが難しい駅前商店街規模とか学区規模のコミュニティサイトを運営する方法さえあれば、生活者のライフスタイルに刺さる何か新しいことは起こるのかもしれない。