投稿日: Apr 18, 2013 1:21:7 AM
ネットは進化していると思う方へ
ボストンマラソンの爆発現場から逃げる人の中に怪しいと言われた人が居たが、すぐに一般市民であることが判明した。爆弾犯探しは、一見すると雑踏の中の出来事で難しそうに思えるのだが、しかし渋谷の雑踏とは違って、目的を持って集まった人たちなので、走者であれ見学者であれ居合わせた人を調べることは可能であろうし、そうすると雑踏の写真の中から確定している人を差し引いていけば、不審者はかなり絞り込むことはできるだろう。アメリカのネットでは、膨大な数の当日の写真や映像の中から、圧力鍋をバックパックして居そうな人物像を探すことを、クラウドソーシングのようにみんなで行っていて、関連情報がGoogleスプレッドシートに集められ、爆弾、被害者、物証・現場写真、犯人像、不審者(コードネーム)が出てくる。自分が不審者扱いをされていたならば、名乗り出ることで不審者は減っていく。
こういったクラウドソーシング的経験はハイチ地震や東日本大震災など近年の大災害の際に安否情報の確認などにポータルサイトや検索エンジンが協力して積み重ねてきた。まあ自治体の窓口の電子化がまだ手付かずの国では、国家や行政が緊急時の支援システムを作ることはできないだろうとは思う。
各市町村にはハザードマップというのがあって、どこに住む人はどこに避難しなさいという地図がPDFになって役所のサイトのどこかにある。だから大地震が起こったならば日本人はまずパソコンの電源を入れて立ち上がるのをまち、ブラウザを開いて役所サイトを訪問し、PDFを探してマップを開かなければならない。地理が不案内ならプリンタの電源を入れて印刷しなければ避難先に辿りつけないかもしれない。こんな公の役立たずに対する自衛策としてもローカルコミュニティの互助的なネット利用は発達するだろう。
一方で街中や高速道路は監視カメラがいっぱい設置されているし、人がいるところには必ずスマホカメラがあることを考えると、GPSやロケーション情報(含むGoogleMap関連)や日時というメタデータによって、ケーサツの聞き込み捜査も劇的に変わる可能性をもっている。スマホカメラの画像をアップしてもらった中に何か意味のあるものを見つけたら、即本人と連絡を取って聞き取りとか情報収集ができるかもしれない。おそらくすでに高速ではナンバープレートを元にある時ある所を走っていた人に聞き込みがされているのだろう。
アメリカでは社会保険番号が本人確認に使われるようだが、日本でも国民背番号的な名寄せ管理はすでに行われている。こういう国家管理的なものばかりが発達しても歪な運用になるかもしれないので、お互い顔の見える(SNSは顔は見えないが匿名ではないという例えとして)コミュニティの側からも災害や福祉などでは協力・支援が出来る仕組みを持っていた方がよいのだろう。匿名のネット上では一般人に対しても個人攻撃とか魔女狩り的なことが起こりやすいが、facebookのようなどこか実名の登録管理をしているところと紐づいた形で、クラウドソーシング的経験がいろんな分野で積み重なっていくであろう。