投稿日: Mar 19, 2012 12:37:1 AM
価値の入れ替わりを感じる方へ
山口実氏が某セミナーの資料のまとめとして、facebookにつぎのような項目を挙げておられた。
「今どういうパラダイムシフトが起きるか」
★ マイクロソフト時代の終焉
★ 高性能PCが不要になり、PCメーカーが衰退
★ インストール型ソフトが不要になり、ソフトメーカーが衰退
★ サーバーやネットワーク機器の設置が不要になり、設備業者が衰退
★ アマゾンや楽天がタブレットを販売
こういった変化は多くの人が合意していることだと思うが、このように外から見えることの奥で何が起こっているのかについて、自分の見方を整理してみた。
☆ マイクロソフトは知財権で収入を得る
☆ 高性能PCは業務用分野へ
☆ ソフトメーカーはクラウド上のサービス業者へ
☆ 設備業者は建設費・電気代の安い場所へ
☆ iPad以外のタブレットはサービスのオマケ
☆ マイクロソフトは知財権で収入を得る
従来はWindowsと抱き合わせでOfficeソフトが提供されていて、それがビジネス用アプリのスタンダードになっていた。タブレットが多く使われるようになると、Windowsがインストールされなくなるが、サーバでWindowsを動かせばアプリはクラウド上でも利用し続けられるだろう。Officeで作った既存のファイルがいっぱいあるので、これらを開いたり変更するニーズはあろう。これをGoogleや他の互換ソフトがビジネス化することに対して、マイクロソフトは分け前を徴収するようになるのではないか。
☆ 高性能PCは業務用分野へ
ビデオ編集でもCGでも、やはりPCというかワークステーションのようなものをローカルで使うことは必須である。なぜなら作業に使うファイルがギガバイト単位の大容量である場合は、ネット経由でサーバとやり取りするところがネックになるからだ。今のクラウド型サービスは通信やストレージ部分にコストがかかりすぎて赤字なのが多く、ネットのインフラ容量は当面不足していて、安売りにはなりそうにない。その分はPCが強力になっていく。
☆ ソフトメーカーはクラウド上のサービス業者へ
必然的にソフトはクラウド版の方向に動いているのだが、問題はそこで適正な売上げ・利益がえらえるかどうかである。現状では今までプログラム開発をしていた会社が単にソフトの提供に留まらず、データ加工のサービスをからめてBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の方に進んでいる。これは顧客はソフトを求めているのではなく、それを使って得られる結果を求めているからである。つまりソフトを買って人を雇って教育して使わせるというところに対してのソリューションが求められているからだ。
☆ 設備業者は建設費・電気代の安い場所へ
サーバの数は経るどころか増え続けている。サーバの台数をどう考えるかという問題があるが、全世界で慣らして考えると、クライアントのCPUが10に対してサーバのCPUが1くらいのところまできていると思う。つまりiPhoneユーザが10人いると、それでサーバ1CPUが必要なくらい、サーバは過剰に設備されつつある。だからコンパクトで設置費が安く電気代もかからないサーバを土地代電気代の安いところに建設することになる。日本の業者もそういう理由で海外に出つつある。
☆ iPad以外のタブレットはサービスのオマケ
現状でタブレットの流通量の過半数はiPadであるが、これは徐々に下がるだろう。しかしその半額のAndroidタブレットが売りにくいのはアプリ・ソフト面で魅力が欠けるだろう。Appleまわりのソフトの秀逸さは長い伝統があったが、いかんせんハードウェアが割高で沢山売れなかったという状況がiPod以来一変したのである。だからアプリ・ソフトが花開くようになった。しかしそこにはないアプリ・システムを運用しなければならない場合はデバイスは何でもいいので、安いタブレットがオマケのような値段で売られるか、ソフトやコンテンツにバンドルされるだろう。