投稿日: Sep 15, 2010 11:10:59 PM
ソーシャルメディアに有効な広告を探している方へ
twitterを使って、「お金を払うから、何々についてつぶやいてね」式のPaidTweet広告モデルがtwitter側から排斥されたことがあった。今でも宣伝目的で広報担当者自身や代理店がいろいろ手をまわして新製品紹介などをしているが、それらがTLに入ってくると、臭いでわかってしまう。twitter上でマスメディアのような連呼での露出を多くするのは逆効果だろう。まだ企業の担当者個人の人となりが表れていた方が臨機応変な会話がされて企業に好印象がもたれる。しかしどの会社にもカリスマ広報担当がいるわけではないから、ソーシャルメディアが広報に役立つとは言い切れない。企業がtwitterで広報するには、例えばsoftbankの犬みたいなバーチャルアイドルのようなものを24時間仕掛けることも出てくるであるだろう。
twitterの人が、「twitterはソーシャルネットワークではなく、リアルタイムネットワークだ」と言ったが、確かにtwitterは同じ話の繰り返しには向いていない。イソップ童話「羊飼いと狼」には 「狼が来た」と叫ぶ少年が見向きもされなくなる話があるが、これは 「狼が来た」を聞く村人の側に 「習慣化」が起こって情報をスルーしてしまうようになるという話でもある。twitterでは短期集中のつぶやきのこだまはひとつのニュースとして捉えられるが、ずっと同じようなことをつぶやいていてはうとましい。ニュースは「習慣化」と対照的なもので、犬が人を噛んでも新聞には載らないが、人が犬を噛むと新聞のネタ、ということと同じだ。
ところがソーシャルメディアの方は特定分野の話の「習慣化」の方に意味がある。つまり狼が来なくても村人には日常会話があるだろうことを考えればよい。記事「良いことばかりではない:SocialMediaの将来」では、商品やサービスの強烈なファンが居ないと、企業がソーシャルメディアの仕掛けをしても意味が無いことを書いた。ソーシャルメディアの一種ともいえるが、ファンサイトやQ&Aサイトのように掘り下げていく方向と、twitterの方向は違うものだと思える。ソーシャルメディアの力はそこに参画している人たちにとって意味のある実際に何らかの成果を出す方向に行くのであろう。これと従来の広告のスタンスとはぴったり来ないと思う。いずれにせよ問題解決力が無い従来の広告手法の通用するところではない。
むしろ広報的な課題では、2chで企業がたたかれるようなことが、twitterやソーシャルメディアで広がることに気をつけたほうがよい。2chよりは上品な方法になるのだろうが、鯨や海豚を獲るな、南洋材を使うな、などのような論調で企業活動に関わってくるテーマは非常に多くあるからだ(アメリカのようになるのがいいという意味ではないが、その傾向は感じる)。実はマスメディアというのは広告で成立しているので、広告主の不利にはならないような情報操作とか何らかのフィルタリングがされていたのが、ネットメディアではその枷がなくなるからだ。このことは悪いことではないが、マスメディアに守られていた広告と同じつもりでネットメディアの広告はできなくなると考えるべきだ。