投稿日: Apr 24, 2012 11:51:38 PM
巨大芋虫はモスラになるのかと思う方へ
facebookの利用者が9億人になったという。日本でもmixi以上に親しまれるようになったと思われる。しかし特別に熱心な(中毒のような)人は増えては居ないように思う。若者とかを除くと一般の日本人は毎日アクセスしているとは限らないのではないか。つまりfacebookに特別の期待もなく、facebookができたからといって生活が変わることは起きていないだろう。中にはBlogからfacebookのノートに切り替えた人も居る。当然マーケティングや集客に使おうとしている人も多く居る。しかしfacebookで何か新しいことをして成果を上げた話はあまりない。
当初の印象ではfacebookというコミュニケーションのインフラをベースとして、いろいろなコミュニティツールが開発されて、これまではバラバラであったコミュニケーションサービスの連携がスムースに行くのかと思われたが、そういう兆しは無い。これはソーシャルグラフの悪用・濫用がされては困るから制限をかけているからであると思う。ある便利な技術が開発されて、それが良い方向には活用されるが、悪い方向には使えない仕組み、というわけには行かないのだろう。facebookを広告プラットフォームに使えると思った人は多いだろうが、広告とスパムを技術的に区別することは難しい。
facebookはfacebookである。
facebookの印象は、今までのネットのコミュニケーションツールのネガティブな面をうまく消し去って、居心地良くしたことではないかと思う。企業でも個人でもマーケティングに使おうとすると、一言呼びかけて何らかの集まりをするには友達が1000くらいは必要だろうが、そんな友達の数のfacebookページは自分で見わたし切れないものとなってしまうだろう。つまり影響力を持つ有名人にとっては決して居心地の良いものではなくなるはずだ。ノートにしても固定的なメンバーに見せるにはいいかもしれないが、通常はアクセスの過半数を超えるかもしれない検索エンジンからの流入は期待できない。
つまりfacebookは1億の時も9億になった今もfacebookのママで、ただ芋虫が巨大化したに過ぎない状態である。利用者が増えたことで電通などが扱うスポンサー広告には使えるとしても、ソーシャルな小グループの活動を支援するような要素はまだそれほど追加されていない。例えばNPOがページを作ることはできても、それがfacebookだからこそ活動が広く理解され支援されるようになるほどにはなっていないのである。eBayとPaypalの組み合わせでは、支払いの際に小銭をNPOに寄付する仕組みがあるが、そういう超小額課金の機能もfacebookにはない。
しかしソーシャルグラフの上に考えつくいろいろなアイディアは、facebookが直接手を出そうと出すまいと、いずれは実現するであろう。