投稿日: Apr 09, 2013 12:42:32 AM
日本の変革を考えている方へ
日本が厳密に単一民族国家であるのかどうかは議論が分かれるところだが、数ではほぼ単一的ではある。これが日本文化の基盤でもあろうし、ビジネスの特徴にもなってきたのであろう。しかし最近はこういう土台に不安をもつ傾向もあるようで、「ノマドと社畜」、社内公用語英語化からTPPまで、いろんな方面で揺れ動きがみられる。つまり日本人がやってきた単一民族的阿吽のマネジメントは、ビジネスやその他活動のグローバル化の中では弱点にこそなれ、強調はできなくなりつつあるからだ。
おそらくこういったグローバリズムに対する揺り戻しは起こって、民族主義とか国粋主義的な言動も増えてくるのであろう。しかしアベノミクスはデフレ脱却をかかげつつも、現実にやっていることは為替操作のようなことなので、グローバル経済を無視した政治は不可能なところにきている(北朝鮮とかを別にすると)はずだ。経済成長し世界経済に深く組み込まれた中国では毛沢東主義を唱えにくくなったのと同じ理由で、日本でも右傾化には一定のブレーキがかかっている。
つまり好むと好まざるとに関わらず、経済の世界では外海に出て泳がざるを得なくなっているわけだが、その自覚は日本国民にはまだ無いことが冒頭の「ノマドと社畜」、社内公用語英語化、TPP議論からわかる。ヨーロッパはEU圏で経済活動を行うようになったのだが、もともと世界的な経済活動を基盤にしていたイギリスにとってはそれは重要なことではなかった。日本がどちらのパターンになるとしても、日本人だけによる企業活動は難しくなってきた。すでにサラリーマンの1割くらいは海外出張などの経験があるとは思うが、今度は外国人がもっともっと日本にビジネスしに来ることを考慮しなければならないが、そのことはあまりマスコミにもとりあげられない。
例えば社内公用語英語化の最大のメリットは優秀な外国人を雇用しやすくなることであり、働く側からすると就職活動で日本人と外人との間に競争状態が生まれることである。例えば韓国の人件費は日本の半分くらいだから、優秀な韓国人は日本に就職すると倍の収入になるが、発展途上国はもっと格差があるので優秀な人が日本に集まりやすくなる。これはアメリカのシリコンバレーが世界から優秀な人を集めたのと同じようなことが日本でもできることである。しかし未だに偏差値教育の中で良い大学に入ることを至上命令にしているママは、こういう新たな競争社会を頭に描いていないだろうし、結局は良い大学を出た子らも保守化して、日本の社会に活力をもたらそうという方向には活動しないだろう。従来のエリート教育とは異なるところが、変革の原動力になるのではないか。
明治維新が封建社会を壊したように、近いうちに単一民族意識が壊される時が日本にも訪れるだろう。