投稿日: Jul 15, 2011 12:25:11 AM
サブカルのリスクを考える方へ
私自身はマンガもほとんど読まないしアニメも見ないが、子供の部屋にはそれらはいっぱいある。日本のマンガが世界で評価されるようになって、一大輸出産業になるかと期待された面もあったが、そもそも日本のマンガはサブカル的なモノである点でディズニーのような出発点にはない。日本は世界相手にマーケティングはしていないので、国内でヒットした特定の作品が世界でもヒットするというようにはならないだろう。しかし世界のサブカルとして徐々には浸透するのではないか。
日本に先行してアメリカでコミックブームはあったのだろうが、マンガの表現に対しての規制も強くなって、アメリカのマンガはヒーローものとか、ブロンディのようなソープオペラ、スヌーピーのようなほのぼの、など差し障りのないものが中心になったのだろう。日本の方がバトルや暴力などに対して寛容であったために面白いマンガが作られたという面があろう。これはアメリカでは主流になれずにサブカルになる。サブカルは若者に悪影響を与える要因だという見方もあり、ビッグビジネスにはなりにくい。それはサブカルは本音と建前の問題に抵触しやすいからで、そのために人の心にはひっかかりやすい。
以前アメリカのアニメの審査で、人を殴るシーンがいくつあるかを数えて暴力度にしているのを見たことがあって、馬鹿馬鹿しいと思ったことがある。アメリカで反社会的なコミックが増えた時期というのは少なからず戦争の影響があって、世相の反映としてそのような表現が増えていると思える。しかしマンガやアニメが社会に悪影響を与えているのではない。表現物は心の内側を見せるものなので、人の心をそのようにさせている社会の状況に触れないで表現物だけを問題にするのは見当違いだが、どこの国でもいつでもそのような傾向はある。
日本にもサブカルではないマンガやアニメもあって、世界的に評価されているものもあるが、それはディズニーのように最初からそう考えられたものであって、国内ヒットした後になって世界を対象にしようとしても遅い。ポケモンはほのぼのしたもので問題はないと思うのだが、神の創造以外の生き物は偶像として禁止する文化とはこすれてしまう。色や飾りなど文化的な記号というのも偶発的に何かとこすれることもあり、最初のマーケティング段階でポイントをおさえてから企画制作に入らないと大きなリスクを負う。リスクを負いたくないならサブカルとして扱うしかないので、それらをぜんぶひっくるめてコンテンツを一大輸出産業と考えるのはあまりにも島国的である。