投稿日: Aug 27, 2015 11:54:49 PM
マーケティング・オートメーションという言葉には胡散臭いものを感じるが、その理由は既存のマーケティングツールを連携させて使う概念にしか過ぎず、こういうツール類をいっぱい使うことの煩雑さとかコスト高の解決にはならないからだ。そのツールとは、たとえばコレのように説明されている。
しかしこれらとは別に販促のオートメーションに近いことは既に始まっている。記事『打倒Amazonの本気度』では、AmazonやeBayなどがビッグデータの活用でクロスセル・アップセルが的確に行えるようになって、ECサイトのプロモーション力で販促のオートメーション化に近づいていることを書いた。
すでに、これらプラットフォームの上に商品を置けば、その商品に見合ったプロモーションが自動的に始まる。ただし必ずしも売れるとは限らない。それは需要が無いか、商品が理解しにくい場合があるからである。それでも運がよければ、誰かが意外な利用法とかをカスタマレビューに書いたことで、提供者が知らぬところで売れる場合も稀にはあるだろう。
要するにECサイト内にある程度のマーケティングツールが備わっていて、同時に外部のSNSなどに拡散・リンクされるという仕組みなのであって、マーケティングのコントロールはAmazon側にある。当初からより多くのマーケティングデータを集めるためにフックとして商品を載せるドロップシッピングなどもしてきた。これは単なる販促のオートメーションなのではなく、もっと上位のマーケティングのプラットフォームとして最初から構築されている。
つまりAmazonは物流に関してサプライチェーンマネジメントを究極にまで推し進めているのと同時に、需給のマッチングをするための情報集めや処理方法というのも同時に推し進めていて、両者をうまく重ね合わせているのである。しかし世の中の多くのビジネスはいまだに、メーカーと販社が分かれていて、生産現場ではどのように在庫・流通しているのか把握していないとか、メーカーの広報宣伝とディーラーの販促が全く別個に行われているとか、連携の取れていないことが多い。
前述のようなECサイトを考えると、とりわけネットメディアの役割は、こういった関連したビジネス内部の情報流通を一元化できる時に、飛躍的に効果をもたらすことが期待できるように思える。