投稿日: Aug 24, 2013 1:35:35 AM
ライブ以外の音楽視聴はどうなる?
携帯音楽プレーヤーがオーディオの標準のようになりつつあるが、音楽の楽しみ方もきっと変化してきている。それは1日の生活時間の隙間がスマホによって情報消費に使えるようになったように、その先行例としてiPodのようなものは1日を音楽で満たすようにしてくれた。しかしそういったデバイスで音楽をダウンロードして聴く慣習は、新しいスタイルが出てきたのかどうかわからない。私の子供はパソコンにダウンロードした楽曲を溜めていて、そこからピックアップしてiPodのようなものに転送しているようだが、これはLPやCDのアルバム単位の聴き方を踏襲している。ウチの子供はどうも1曲ごとのダウンロード購入はやめて、CDレンタルに戻ったようである。
これはアルバム編纂に相当するPlayリストの編纂が大変面倒なことを表しているようだ。私は50年前から45回転盤を集めていたために、元々バラバラな楽曲を30年ほど前から60分のカセットテープに整理して入れて聴くということをしていたので、自分好みのPlayリストの編纂の作業は苦にならないどころか、編纂それ自体が楽しみでもあった。
一般にはその時その時で自分の気に入った曲を適当に寄せ集めてPlaylist にするのだろうが、何年か経ってそのPlaylistを見るとあまり聴く気がしなくなっていたり、いろんな似たPlaylistが沢山できて同じ曲が入ったりして、結局はPlaylistの使い回しができなくなってしまう。それに比べると、売られているLPやCDのアルバム単位の編纂はよく練られているといえ、何度も繰り返し聴くように整理されている場合が多い。
そんなことを考えるとPlaylistの編纂は何らかの指針があったほうが良い。それは自分のやってきたことから振り返るといくつかの傾向がある。私の収集対象は地域性の強いアメリカの黒人音楽であったので、各地の傾向を如実に表わすような編纂で、自分の好みを集める(図中G)というのが基本であった。これは時代ごとに編纂できる。
一方で自分の好みのミュージシャンが居て、その人のレコードは鬼収集をするわけだが、レコードがありすぎても聴き難くなるので、その人のレパートリーを編纂する(図中A)とか、駆け出しから晩年までクロノロジカルに追う(図中B)とかの編纂も必須である。
また音楽シーンという視点での編纂もあって、実際にはライブがレコードになる場合は少ないのだが、よく一緒にやっていたミュージシャンの楽曲を組み合わせて擬似ライブ(図中C)のようにするのも雰囲気がよい。
またダンス向けとか、コーラスとか、弾き語りとか、ビッグバンドとか、Jazzぽいとか、音楽的に似た傾向のものを集める(図中F)も、聞くときの気分に合わせて選びやすいものになる。
最後はレコードコレクター向けのものとして、レーベルヒストリー(図中E)というのがあり、これはプロデューサ視点の編纂となる。
このように編纂をしていくと、結局はマニア的な人にはCDのようなパッケージが使いやすい。ネットで無制限に検索できても、それはリスナーに選択という負担を増やすことになるので、多くの人向けにはラジオ番組的な音楽パッケージが受け入れられることになるのだろう。これは欧米でDJが人気であることで証明されている。
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