投稿日: Aug 31, 2010 11:19:28 PM
Blogはどこへ行くのかと思う方へ
後世の人が今日のBlogを説明するとしたら、どのようなものだと記述するだろうか? 元はWebサーフィンをしながらログ(記録)を残すもので、IT系のニュース分野が多かったと思うが、その後の発展はアメリカでは個人が社会・政治に関する意見表明が多く、日本では個人の日記が多かった。いずれにせよ個人ホームページを簡単に設定・運営できる仕掛けである。ポータルサイトの無料Blogから始まり、カスタマイズがいろいろできるMovalTypeのような専門システム、WebのCMSのオマケ、などなどWebページの相当数はBlogになっただろう。ひとつの意味として全く自由にできるWebはとっつきが悪く、いろいろ制約があっても一定のスタイルに自分を当てはめる方が広まるということである。これはWeb以外の多くのことに当てはまる。
第2には、誰でもWebが始められるように門戸を開いたことである。掲示板で勝手な発言をすると炎上をしてしまったが、Blogは自分の世界なので言いっ放しが自由である。間違ったこと、偏ったこと、誤字脱字も含めて、投稿などに比べても結構無責任に書くことができるので、人々のリアルな姿が記録された。大多数はごみであるとしても、Blog大賞をとるようなものは非常に面白かった。しかし店長Blogのように仕事に絡んで書かねばならなくなると、そうもいかない。Blogをビジネスのシステムに組み込んだけれども書かれないので結局効果がなかったというのもよく聞く話である。当然カリスマ店員のように仕事をしながらもカリスマBlogerも少数は居た。しかしtwitterが出てくると、こういった人々はそっちに移って、Blogが開店休業になったものも多くある。個人の日記もtwitter化しつつある。twitterは思いついた時にタイミングよく書けて、管理しなくてもよいからである。
第3は、技術的な面で、ちょうどXML応用が広まったときにBlogはできたので、検索エンジン対策になって、BlogがGoogleに載りやすいとか、RSSのようなpull型購読がとれること、trackbackの仕組みでBlog間の連携が取れてBlogの横のつながりが広がることにも期待がよせられた。しかしRSSもtrackbackも、どうみても活用されていない。アイディアはよかったが、仕組みが判り難いのか、管理が面倒くさいのか。管理者が手で操作するのではなく、組み込まれた仕組みとしてはいくらか使われているだろうが、breakしたとはいえない。むしろWordPressのようにBlogというよりもWebサイトそのものになるほど高級化して生き残っている。これはコンテンツとデザインをうまく切り分けた仕組みができたことを意味する。
結局、こつこつと原稿を書き続ける人はそれほど多くはないので、Blogがあふれるように存在することは考えられない。また書き続ける人でも、情報共有的な指向なのでBlogからSNSに移った人も居れば、twitterに分解されてしまった人も居る。これらは動向というよりも、正直にありのままの姿でインターネット上でコミュニケーションできるように、成熟化する過程といえて、Blogはその一通過点であったのだ。しかしそもそも元祖Blogを始めたような、ジャーナリスト、ライター、専門家、研究者、リタイアした人のアーカイブなど、こつこつと書き続ける人は、やはりBlogにとどまっているともいえる。BlogはBlog以上でも以下でもないということか。