投稿日: Sep 09, 2015 12:43:13 AM
Amazonで古新聞紙を売っているのが話題になったことがある。古新聞とはいっても未使用新品で、日付が過去のものである。以前は【ペット飼育の中敷き…】というサブタイトルはなかったが、売られていく間についたもののようで、カスタマレビューを見ても、一定の需要があることが分かる。
しかも5kgで1000円であると、お米の値段とそう変わらない。5kgというのは朝刊だけの1か月分くらいだ。どの街にも新聞販売店はあるが、再販の統制があるので不要となった新聞紙を売るのはむつかしいのではないだろうか? B2Bではペット屋に売っているかもしれないが、一般向けに売っていたらわざわざAmazonでは買わないだろう。
ここで、Amazonが市場を作っていることがわかる。物品やサービスの提供側から、「こういうものが必要とされているのではないか」ということと、生活者・消費者の側から、「こんなものがあったらいいのに」ということに橋渡しをして、需要と供給のマッチングをとる場が市場であり、金⇔モノ、金⇔サービス、といった価値が交換される。
記事『メディアを使った連携』で、ECはプラットフォームの上に商品を置けば、その商品に見合ったプロモーションが自動的に始まる方向にあると書いたように、単に画面に商品を陳列するのではなく、需給のマッチングをするための仕掛けがいろいろと作られてきた。そして実際に古新聞とか砂利とか今まで無かったような需給マッチングがいろいろ行われ始めている。
新ビジネスというのは仮説をもって始まるが、その仮説検証を上手に行えるかどうかがビジネスの立ち上げの鍵であり、ECとともに短期間で仮説検証のPDCAが出来るようになりつつあることをあらわしている。前記事では今叫ばれているマーケティング・オートメションは既存のツールを組み合わせるだけだと書いたが、今後は需給マッチングの場に向かってよりフォーカスしたツールに改修されて、次第に統合化されていくだろうと思う。