投稿日: Nov 24, 2015 12:49:58 AM
日本でもLINEのようなコミュニケーションツールは流行るものの、ソーシャルなアプリはイマイチのままである。ファンがいる分野や趣味嗜好の分野などはリアルの世界では何らかの会があるのに、そういった活動の延長上にネットがそれほど利用されていない。コアなファン同志はそれこそLINEなどでつながっているとか、ある程度閉鎖的な使い方でfacebookが使われていて、内輪のコミュニケーションが活発化しても、プロモーションとか組織拡大というのにネットを活用しようと日本人は考えないのかもしれない。それはソーシャル性の欠如のように思う。
欧米はパーティーで知らない人と出会ったり紹介してもらうことが人脈の基本のようなので、個人の側からするとパーティーのような機会を探すことになるし、組織の側からしても人の輪を広げる機会を定期的に設定することになる。そういった延長にSNSの利用もある。欧米でも外部からの自由な書き込みをさせると炎上のようなことは起こるのだが、そんなに頻繁ではなく、普通に意見交換しているものが主なので、赤の他人を警戒したり排斥したりする度合いは日本よりも低いように思える。
紙媒体は一方通行の情報伝達なので上記のような警戒の強い人は紙を使いたがるし、またネットでもPDFを置いておくだけになりがちである。PDFを置くにもホームページくらいは必要になり、そのホームページをどうやって認知してもらうかという課題がでてくる。要するに一方通行しか考えていないと、ネットで自然に広がるような仕組みは考え付かないことになる。
ネットで赤の他人の目に触れれば、思わぬリアクションに直面したりする。しかしそれを恐れるのではなく、いろんなリアクションを想定して広報なりプロモーションというのは考えるべきものなのだ。リアクションを嫌うということでは広報はそもそも成り立たない。
日本の企業は広報を自らが地道にすることは苦手で、広告代理店に任せきりの時代が長かったが、自分でお客様窓口とかマーケティング活動をしていれば、自社とか自社製品のことを、どのような人はどのように受け止めているかがわかるし、それに対する応酬話法もできていく。しかし製造と販売が別会社で、メーカーの方は営業の現場を知らないなら、メーカーのホームページを客の目線で作ることは難しい。
結局ホームページからしてコミュニケーションを意識していないツクリなら、ホームページよりもソーシャルメディアに乗り換えても意味が無いことになる。
趣味嗜好の分野でも、むしろソーシャルメディアの活用が身内的になり過ぎて、赤の他人が入りづらい印象のところもあるほどだ。それはそれでいいと思うが、もし組織が拡大を目指すならば、活動予定には広がりのもてるメディア作りというものが入っているべきだろう。
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