投稿日: Feb 12, 2015 1:23:29 AM
モノのインターネットというのが話題になるが、焦点は2つあり、一つはインターネットに結び付けられるべきモノそのものにまつわる開発である。もうひとつはそれらのモノを結び付けてどのように制御とか情報交換するのかというインターネット側のアプリケーション開発である。これらは相互に関連していて、モノ側つまりローカルな処理と、ネット側つまりサーバ側の処理の両者がコンビネーションで成り立つ世界だからである。
これは永遠に続く課題で、テクノロジーの発達の具合でモノ側とネット側のどちらに比重を置くのか、あるいは機能の境界をどうするのか、というのが不断に変わり続けるからである。それはホストコンピュータ時代のTTSの端末利用からパソコンのローカル処理能力が向上した時代に変わり、また今クラウドの時代を迎えているようなものである。
多くの日本の製造業者にとってはモノ作りは意欲が湧くかもしれないが、制御側は後回しになりがちだ。若者でもMakeは遊び心で取り組めても、ネット側は相当理論的な勉強が必要になるから、安直に結果を得ることは難しい。
例えば、チョロQのような小さなロボットを作れたとして、それらが1000体が協同して働く仕組みを作ることは難しい。蟻がたくさん集まってキリギリスの死骸を運ぶような仕事を想像してみる。現段階ではたくさんのロボットがぶつからないで、一定方向に動いていくような群管理をするのがやっとではないか。
体育館のようなところに自走ロボット車を1000台くらい動かして、衝突しないで自律的に動く様子はみたことはあるが、それはまだ虫のような段階で、今は協調作業のための群管理が開発の焦点なのだなと思った。つまりロボットをインターネットにつないで制御するという考えもあるが、モノは自律して使われつつ、ネットを介して制御される場合が多いと思われる。
SonyのFelicaは成功例だと思うが、カード自体にはあまり機能を盛り込んでいない(FelicaChipは別として)が、ICタグのリーダ・ライタがネットにつながっている。これから考えると、自律したモノとローカルな無線のコミュニケーションで現場的な必要な機能を実現しつつ、全体最適の観点でネットで制御するような2段階制御のモデルが、モノのインターネットのプラットフォームというかインフラになるのではないかと思った。
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