投稿日: Nov 29, 2010 10:40:36 PM
自分はベンチャーのどのパターンかと考える方へ
人が夢を持って立ち向かえるテーマは時代とともに変化してきた。アメリカンドリームの「何々王」とは国を建設する段階のものであったし、20世紀後半のアメリカではコンピュータ産業がグローバル展開の夢を与えてくれた。コンピュータがコモディティ化した後は通信応用が産業の新しい戦場になったので、デジタルメディアが産業のフロンティアになりつつある。だからデジタルメディアはさまざまな夢を持った人たちが参入してくるであろう。つまり既存メディアがデジタルのネットワーキングにシフトしてくる以上の新しいことがこの分野で起こってくるはずだということを、記事『GoogleTV と AppleTV は競合か?連合か?』で書いた。
YouTubeに対して日本にはニコ動があるように、各国バージョンの地域メディアも登場している。その三番煎じ四番煎じを既存メディアビジネスが手がけるかもしれないが、新たな参入者がそういったものに夢を託すわけにはいかない。ではどんな夢を持って次世代のメディアビジネスを考えている人がいるのだろうか。おそらく3つくらいのパターンがあるだろう。第1はSteve Jobsのようなタイプで、人に感動を与えるような「素敵な」何かとか面白いことを提供したいと考える人だろう。第2はエンジニア出身に多い、自分の「得意な」ことや好きなことを突き詰めて事業化にもちこみたい人だろう。第3は「俺ならこうする」という問題発見・ソリューションを思いつく人だろう。
こういう人たちがメディアビジネスに多く参入することが、新しい需要や技術に対応できていない既存メディア(記事『メディアはすでに崩壊している』)や、日本のITが日本の産業に十分貢献できずに黒船を迎えている(記事『新規事業の意思決定に問題あり』)ことの打開策になるだろう。サイトhttp://www.mediverse.jp/およびこれからの情報提供や各種プログラムはそのために企画されている。
しかし今は貯金ナンバーワンのSteve JobsもiPodの前は危ないところを何度もわたってきたように、「素敵な」夢が経営を支えてくれるわけではないし、エンジニアの熱心さや才覚だけでビジネスの金が回るわけでもなければ、一旦ビジネスの助けとして評価されたソリューションも技術革新の中で陳腐化して捨てられることにもなる。これらの「素敵」と「得意」と「問題発見」はうまく組み合わさってこそ伸びる企業として世に出る要素になるので、ビジネス化を考えるなら自分の殻に閉じこもるのではなく、また自分の特性にあった仲間の世界に満足するのでもなく、スキルの補強をしたりコラボレーションやアライアンスをする能力を身につけなければならない。そのための「気づき」や「考えるきっかけ」の提供もhttp://www.mediverse.jp/で行っていきたい。
そのキックオフイベントとして、2010年12月14日(火)に、2011年の動向予測を行う(無料)。アジェンダ(予定):
・Facebookにより、コミュニケーションの構造がどう変わるか
・AndroidはiPhoneを超える驚異となるか
・電子書籍元年と言われた2010年を落ち着いて振り返る
・Google TV vs Apple TV