投稿日: Aug 30, 2011 10:36:48 PM
ソフト開発が金にならないと思う方へ
プログラミングとかコードを書くことは専門職の仕事であった。しかし歴史が示しているのは、プログラムレスに向かえば用途が広がることである。オフコンの時代にRPG(Report Program Generator)というのがあって、利用者側でも出力指示ができるようになった。パソコンの時代になって表計算というものができて、簡単なものから難しいものまでありとあらゆる分野で利用された。WebのHTMLも最初は手でコーディングだったが、すぐにツール化され、CMS・BlogシステムになってクリックやDrug&Dropでサイトが作れるようになった。今スマホやタブレットでどうやってアプリを作るかという段階にさしかかっているが、やはりテンプレートやモジュールの組み合わせというのが発達していくだろう。
ただし表計算やDreamWeaverのようなパッケージソフトが売れたように、アプリ開発のツールにビジネスチャンスがあるようには思えない。パソコンの時代にはC言語のコンパイラーだけでも10何万円かしていたように思うが、後には一般的な開発キットは個人でも買えるようになり、Web時代はオープンソースで無料になっていった。スマホやタブレットというWebよりも制約のキツい利用環境においては操作面や応用面の多様性はおそらく無理で、その分はバックにあるクラウド側のサービス開発に移るだろう。だからクラウドにあるテンプレートやモジュールの組み合わせをスマホやタブレットで指示する形でソフトを構築していくことになり、構築するツールはタダ同然だろう。
つまりスマホやタブレットならば、利用方法のアイディアが浮かんだならば、今まで以上に誰でもアプリを作れるようになるだろうし、それは学習もあまり必要でなく費用もかからないとなると、世界中で取り組む人は増えるし、商品として値付けも難しいものとなろう。AmazonでKindleの電子書籍を出すときにAmazonDTPがタダで使えるように、プログラムは別のビジネスの付加サービスというかオマケになっていくのだろう。コロプラがリアルビジネスへの誘導という意味では広告のような役割になったように、技術側からだけでビジネスにはなりにくい時代である。
本当の意味でのソフトウェアの進歩はそういったことを可能とするお膳立ての開発にある。アメリカの場合はCPU・ファームウェア・データセンタ・クラウド・仮想化・インターネットのバックボーンなどに従事する人はそれなりに多くいて、そういったところのトレンドを踏まえて新しいテンプレートやモジュールによるサービスが出てくる。日本はそういう技術でどれだけ世界に対して先導的になりえるのかわからない。しかしスマホやタブレットの利用技術だけではビジネスにならない。必要なことは利用技術をビジネスを結びつけることで、これはアタマで考えて分かることではなく、実証実験を手早くやって先に進むことだ。東京のように濃密な都市ではそれは簡単に行える。