投稿日: Nov 24, 2012 2:26:22 AM
8年間の活動で音楽シーンを変えた男
ブルース&ソウル・レコーズ最新号(108)に、Jimi Hendrix の下積み時代の音源新発見の記事が出ていたので、思い出したことがいくつかある。 Jimi Hendrix には4年の下積み生活と4年の表舞台の活躍があり、表舞台の方は大方の楽曲がCD化されているし、1966年に英国人に「発見」されて以来の行動は多くの証言があって明確だが、下積みの1963-66の4年間はまだ多くの謎に包まれている。Jimiのバンド生活のスタートの鍵を握るミュージシャンにJohnny Jones が居るが、彼は多くを語らないまま2009年に亡くなった。下の写真はJimiが父親に「僕たちのバンドができた」ということでうれしそうに手紙を書いて何枚かの写真を1963年に送ったものの一部である。
このバンドはThe King Kasuals といい、他の写真ではセカンドギターに別の長身の人が写っているが、ここではBoo という人に代わっている。これがJohnny Jones であると考える。彼はJimiからするとかなり先輩にあたり、バンドはダブルリードギターであったと思われる。Jimi はこの活動をやりながらも、有名なR&Bバンドに武者修行のように参加してアメリカ各地を廻る。何年か前に1960年代中ごろにアメリカで放映されていたR&B番組BeatのDVDが出たことがあるが、その番組のバンドとしてJohnny Jones は活躍していた。そのTVのプロデューサはJimiのギターが派手すぎるという理由でJimiを外している。
そしてJimiがイギリスに渡る頃にJohnny Jones は下のようなレコードを出しているので、Jimiが留守の時のKing Kasuals は彼が続けていたと思われる。世間にはオレがJimiにギターを教えたというミュージシャンはいっぱいいて、Johnny Jones もそのようなコメントはしているのだが、音楽的にはそれほどつながりは感じられない。彼がJimiに教えたとするとオーソドックスなBluesであろう。それ以前にJimi が古いBluesmanと接する機会はなかっただろうから。
この頃のJimi はレコードを通してTipsを得るようなことは殆どしておらず、音楽的な影響ということでは、King Kasualsが演っていた場所であるようなChitterlin Circuit の音楽そのもので、それはYouTubeのShotGunでもわかる。Chitterlin Circuit では音楽メディアよりもライブ主体であった。Blues ギターに関してはAlbert King、Albert Collins の影響は顕著にうかがえる。Jimi が全米を廻る間にこういった人たちとJam をする機会があった。そういった旅の様子は父親にマメに葉書を出していて、部分的には捉えられているが、バックミュージシャンとしてのレコーディングへの参画はどこでどのように行われたのか、まだ一部分しかわかっていない。これもChitterlin Circuit でのぶっつけ本番主義のためである。
音楽関係の記事