投稿日: May 08, 2013 12:31:26 AM
広告トラックに違和感を覚えませんか?
きっと広告業界の人は否定すると思うのだが、クライアントの広告に対する期待感はずっと下がってきたように思う。苦境にあえぐ雑誌も、広告予算が一度無くなると復活しないことで回復の目処が立たないばかりか、電子雑誌にしても広告に魅力を感じてもらい難い状態になって軌道に乗らない。メディアの側は広告依存で凝った雑誌などを作ることはよほどニッチな分野でなければなりたたず、新たなモデルを発明しなければならない。今は婦人誌ばかりでなく豪華な付録をつけるものがよくあるが、返品処理はどうなるのだろうかと思ってしまう。
雑誌を定期購読制にしたところで、基本的には広告ビジネスの延長であるし、ネットの低額有料コンテンツでも難しいくらいだから、商品としての雑誌はもっともっと淘汰されてしまうだろう。しかし読者からすると読み物はそれほど減るわけではない。飛行機に乗れば機内誌があるし、雑誌のようなカタログが送られてくるし、無料メディアという点では紙はネットよりも大先輩である。JAF機関誌「JAF Mate」は1000万部くらいあろうから、ネットに負けないようなものである。
紙媒体としては販売物が減った分だけ非販売のものがプレゼンスを上げている可能性もある。
交通広告も時代とともにいろんな波があり、バブルがはじけて窓上横長ポスターが減ると戻らないのだが、バブル期に登場したドア横のシールのようなものはずっと残るなど、新たな露出場所を開拓しなければ維持できない。その開拓の一つとしてデジタルサイネージが増えたわけだが、紙のポスターと違って維持管理のコストがかかるので、安易に拡張することはできない。
こういう電源や通信を伴う仕掛けは広告業界の方からは殆どアイディアが出ていないように思う。それはデジタルネットワークによって広告を成立させようと考えるからややこしくなるので、むしろデジタルネットワークを必要とするところとコラボして、広告側から支援するつもりで考えるべきだ。例えば街中に大きな広告だけをのせたトラックやバスのようなものが走っているが、これは目立つとしても道路交通の邪魔をしているだけであるという反感も買っているのではないか。社会的に考えるとエネルギーを使って排気ガスを出す無用の物あるいは有害なものになりかねない。
デジタルサイネージも監視カメラや防災システムとコラボして、それらのシステムの維持管理を支援してあげるような考えで仕切りなおすのがよいと思う。これはデジタルサイネージにとってもいろんな双方向アプリケーションを考える土台になるものである。
紙媒体も返品やゴミという負の側面が目立つような部分は回復し難いのだろうが、違和感の無い形でライフスタイルに溶け込んでいるものは急激な低下は免れるのではないか。