投稿日: Sep 18, 2012 1:3:8 AM
出版と読書は別ものと思う方へ
以前は読書の秋といわれた。文字・活字文化推進機構というのが何年か前にできて、いろんな勉強会やシンポジウムをしている。ホームページからこの機構のポジショングを推測できる。(以下は引用)
読書に関わる法律・施策・計画
読書関連リンク集
記事『印刷が滅ぶとすると…』では、ネットの利用拡大に従って、デジタルでは細かな単位の文字情報に接することが主流で、ガッツリした読書は一部のマニア・研究者以外は薄れていくのかもしれないということを書いた。細かいものにたくさん目を通すのと、厚い本を少量読むのとでは、同じ時間を費やしてもかなり様相が異なることのように思える。電子書籍ではライトノベルくらいの単位のものが普及して、それが人気を得ればシリーズ化して長編のようになるのかもしれない。
これを出版ビジネスとして考えると、一般向けには安いものをいろいろ出すところをデジタルで行って、評価の得られたものを紙の本にし、その中で長編とかアーカイブのような内容は図書館市場向けになるのだろう。いわゆる読者といわれる人は、従来も本屋で本を買う人とは限らない。出版点数を累積的にみれば増大一方なので、新本よりも古本や図書館利用の方に徐々に比重がいくからだ。
図書館を充実させることが出版市場の拡大にもなるし読書の拡大にもなるはずだが、電子書籍と図書館の関係をどうするのかは合意が出来ていないように思える。デジタルとネットで貸本というのはクラウドサービスになり、地域図書館がその中でどんな役割を果たすのか、いろいろな議論がありもっと深堀が必要だろう。