投稿日: Apr 23, 2016 1:5:32 AM
熊本の地震は直下型なのでドスンと突然やってくるもので、地震警報とか警戒の余地はなかったのだろう。でもその後ずっと続く地震で、最初はちょっと傷んだだけの家屋も次第に崩壊していった。自分の家の傷み具合をみながら、ある時に別のところに避難する決断をしなければならない。そういう地域が次第に広がっていく。本来なら避難や支援の拠点になるべき隣接地域も被災地に変わっていったかなり特殊な状況であったように思う。
熊本も今までの記憶では大きな地震がなかった。日本中どこでも大地震が起こり得るのだが、殆どの場所は地震の記憶がなくなっていくから、いつでも一般の家屋の寿命は何十年くらいを想定して作られている。もっとも、あまり地震耐性を高めるとコスト高になって採用されにくい。でも工夫された工法であまりコストをかけずに耐性のある家屋もできている。
災害時の安全性や救出活動の容易さを考えると、民家にもある程度の耐性を義務付ける必要はあると思う。
家そのものを壊れないようにするのは大変だが、中に住む人が逃げ込んで助かる空間があればよいと思う。地震警報では机の下に潜れとか言っているが、この問題は外部から救出に向かう人が、その家のどこに机があるかわからない点である。これが例えばユニットバスのようなところに逃げ込む約束ならば、救出に向かう人はそこを第一番に探せばよい。とするとユニットバスのところだけ鋼鉄のフレームなどで覆って潰れないような構造にしておけば地震シェルターになる。マンションなどが崩壊しても、鋼鉄フレームがクレーンで吊り下げられる構造であれば、救出も容易になるだろう。
またユニットバスの中に防災用品や外部にHELPを伝える通信手段を埋め込んでおけば、そこに人が居るかどうかわかるし、そこに入りそびれた人の情報もわかるだろう。ユニットバスのありかはマンションなどでは決まった位置なので、それ以外の人の所在がわかれば、瓦礫の除去もある程度大胆にできて、作業の高速化になるのではないか。
一般民家の場合はユニットバスに若干の脱出用工具(ジャッキや梁)もセットしておけば、自力で屋外にでられるだろう。
地震シェルターは、火山に行くと噴石よけのシェルターが歩道のところどころに設置されているもののようだ。家の建築コストからすると大したことはないだろう。火山に噴火があるように、日本に地震がある以上、シェルター構造を義務化してもいいのではないか。
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