投稿日: Nov 07, 2015 2:5:7 AM
2015年になって驚いたことのひとつは、アフリカ系(アフリカンアメリカンも含め)若者の活躍であった。彼らを外観から日本人と区別して見る人も居るが、発言を聞いていると紛れもなく日本人である。つまり日本人観というのが問われる時代になっている。
偶然なのかもしれないが、陸上のサニーブラウン、野球のオコエ、ミス代表のエリアナ、達は世代も近く、ほぼ20年前位にこういう国際結婚が盛んな頃があったのかと思う。私の住んでいるところでも、日本に働きに来る外人が非常に増えた時期であって、子供の小学校の運動会でも大変国際色が豊かであった。その後の日本の経済後退で在留外人は減っていったのだろうと思うが、国際結婚による交流はこういう子孫達によって日本に何らかの変化をもたらすようになるのかもしれない。
例えば当時はヘイトというのは殆ど無いのが日本の特徴であった。サッカーでブラジルが優勝するとブラジル系の若者が深夜に大通りに出て騒いでいた。ナイジェリア人のグループと一緒に歌って踊る集会をしたこともあった。エスニック料理の店も街のあちこちに出来ていった。そういう海外からもたらされる文化に反発する様子は日本には無く、日本人は包容力が大きいかのように思われた時代であった。
おそらくプラス面としては、当時から盛んになった日本企業のアジア進出で、日本企業の多くのサラリーマンが海外赴任をするようになったことも日本人の包容力向上に関係していて、日本人の海外ビジネスも日本が経済的に収奪するだけの一方的な関係にならずに、現地ビジネスとタイアップしたものとなりやすかったかと思う。
それは日本に幸いしていて、アジアが経済的に良くなるに従って、かつては日本は出稼ぎに行く場所であったのが、日本へ観光をしに行くように変わって、観光客が増え続けることにつながっている。現地でも日本食とか日本の文化の評価は高まり、要するにアジアと日本の人々の関係は、好循環にあるといえる。
すでにインド人のコミュニティは日本にあるのだが、その先には中東やアフリカの人々との交流も増えていくように、日本にとって更なるグローバル化の兆しを感じさせたのが、冒頭のアフリカ系2世の活躍である。エリアナさんがミス代表になった時にアメリカ黒人系日本ギャルがYouTubeで喜びを発信していたことがあった。個人的にはアメリカ黒人がもっと日本に来ればいい気がする。戦後の進駐軍の時代に黒人兵についてアメリカに移った日本女性もかなり居たが、日本人の血を受け継いでいるという意識の人がかなりいるだろうから、そういう人にも今の日本を見てもらいたいと思う。
戦前のアメリカへの移民も含めて日系人も高齢になりつつあり、ロサンジェルスのリトルトーキョーに Japanese American National Museum というものが近年作られて活動しているが、日本との接点はどれほどあるのかわからない。彼らもアメリカではヘイトを経験したことがあるわけで、国際交流をしながら世界の問題を考えるようにするのが、排外主義のような歪な観念論に対処する方法であると思う。
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