投稿日: Mar 19, 2013 12:24:59 AM
サービスがバラバラになっていると思う方へ
私が子供の頃は町の米屋さんが毎月米の配達をしていた。台所の一角には米びつがあった。今は米がビニール袋に入っていろんなところで売られていて買って帰るのだが、重い。特に高齢者にとっては重量のある買い物は負担になっている。それでまた小売店が配達したりネットスーパーというビジネスが広がっている。Amazonで米を買っている人もいるだろう。これは昔に戻ったのだろうか? 何が違うのだろうか?
昔の米の流通は食管法に裏づけられていて全国一律の方法をとっていたのが、今の宅配の発達は、産直サイトや通販なら宅配業者、ゆうパック、またネットスーパー、地場の小売店という多様な販売や流通の方法があることであって、米は他の食材や日用品と同列になったことである。これは生活者から見ると米の銘柄や好みや、また流通方法を自由に選べるというメリットはあるものの、高齢者など「情報弱者」にとってはどうしていいかわからないという課題にもなる。サービスはどんどん増えているがそれらはバラバラだからだ。
高齢者にもそれぞれの嗜好があるので、高齢者福祉で一概に支援方法を取り扱う制度を作ってもスムースには行かない。しかし放置してしまうと「情報弱者」をカモにするビジネスがいっぱい出てきてしまう。TVのCFを見ても成人病や健康志向につけこんで高額なものを売っていると思われるものは多くある。もし高齢者が一人暮らしをしているなら、これらの購入や利用について疑問をもった場合に、離れて住む子息・親戚とかボランティアなどと相談をする仕組みがあるとよい。
以前は家電話に画面のついたTV電話が売り出されていたが、今はスマホでもSkypeが使えるので、設備的な負担はないのだが、高齢者にSkypeを教えるのはまだ面倒かもしれない。スマホでもパソコンでもインターネットTVでもそれらが簡単に使えて、それらを使っての1:1のコミュニケーションや、SNS的利用や、特に子息や後見人の場合は購入手続きの代行もできるように、既存のサービスを組み合わせれば、高齢者にも、販売側にも、福祉の軽減においても、メリットのあるものにもできると思う。
特に高齢者の家族にとっては、高齢者の見守りとかコミュニケーションを、日常のソーシャルメディア利用の延長上で行えるとすると、子が親と密に連絡できて詐欺にも遭いにくくなるだろう。また遠隔地の子が独居高齢者の生活状態をモニタしたり、健康、出費、生活支援についてさらに円滑に行くようにセッティングするようにもできるだろう。
産直は高齢者の楽しみのひとつになっている。とくに自分の出身地の物産には思い入れがあるだろう。米なら産地で精米したもののほかに季節の素材も合わせた通販があって、割と小まめに購入し続けるような流れがある。こういったものの配達が日用品のいろいろな分野にわたってほぼ毎日あって、それらのログをネットで子供が見られるならば見守りにもなるし、その話題が親子のコミュニケーションにも役立つだろう。
家族と言うソーシャルの最小単位で機能して役立つコミュニケーション・メディアを作るには、従来のビジネスのネットへの移転だけではなく、生活者視点の総合性が必要である。