投稿日: Apr 16, 2016 12:28:31 AM
熊本で地震が続いているが、地元の断層群に起因するもので、ローカルな災害のようにも見えるが、そもそもなぜ熊本に断層群があるのかというと、そこは日本列島の成り立ちに関る中央構造線の上にあるからだ。地震観測が各地でされなかった頃には、こういうテクトニクスと地震の関係はわからなかったのだが、2016年4月16日の「本震」といわれる揺れの震度を日本列島にマッピングしたものをみると、阿蘇から関西に続く震度④③の列、さらに②の列が愛知から長野(黄矢印)に続くのを見ると、中央構造線に沿って大きな揺れも伝わっていることがわかる。
中央構造線にもっとも近い原発は四国の伊方原発だろうが、そのあたりは⑤ほどの震度になっている。よくもまあこんなところに原発を作ったものだと思う。要するに原発立地はテクトニクスは考慮していなかったのかもしれない。
上の震度のマッピングを見ると、北九州から中国・近畿にかけての日本海沿いにも④③の列がある。これも構造的な何かがあるのだろう。過去の地震における震度マッピングというのを重ね合わせると、日本列島の地下の岩盤の構造を知る手掛かりになるのだろう。ちょうど人体内をエコーで診断するようなものだからだ。
日本は断層や断層群のデータをなかなか公開しない傾向があるが、それは不動産売買に影響がでるからで、不動産で大きな金が動く経済構造になっていることが理由だろう。そのように地盤・岩盤情報を隠していては、脆弱な地形に重要な施設や原発のような危険物を作ることを容認しやすくなってしまう。
先の東関東大震災の際には太平洋でのプレートの沈み込みが詳細に報道されたが、そういう災害のたびの断片的な情報だけでなく、日本の学校教育でちゃんと日本列島の成立ちを教えておくべきではないかと思う。
Top → Articles デジタルメディアビジネスの記事 過去記事→Archive