投稿日: Apr 06, 2010 12:57:15 AM
大した意図もなく、おしゃべりばかりしてしまう方へ
『マガジン航』 出版社のネット戦略を取材して 2010年4月5日 posted by 北島圭(電経新聞記者)より抜粋
『というのも多くの出版社がネット黎明期からビジネスの可能性を模索してきた。しかし決め手となるビジネスモデルがなかなか見つからない。頓挫したり、出直したり、静観したりを繰り返しているうちに今日に至ってしまったというのが実状だろう。 もともと出版社は新しいビジネスを生み出すことに長けている。実際これまでも多様なビジネスモデルを駆使して成長を遂 げてきた。ところがネットに関しては打てば響くビジネスモデルを生み出せずにいる。』
これは日本語パソコンや日本語ワープロが登場した1980年代から感じていたことである。30年間にわたって電子化とかネットという環境でのビジネスモデルが思いつかなかった人にいまさら何か言うべきことがあるだろうか?紙の本がちゃんと売れるための努力をしていればいいのではないか。要するに気持ちがデジタルに行かないのに、ニュースなどを見てデジタルに色気を出すのが間違っているのか、そういう誘い方をする周囲の業界やニュース(自分たちの世界でもある)が悪いのか。
別にどこも悪くはなくて、旧来のメディアビジネスのモデルに長居しすぎたのかもしれない。年老いた売春婦のように、ネットという通りではもう売れるものがないのではないか。であれば路地裏で昔なじみを相手に続けられる限り商売をしていればいい。つまりデジタルに行かなかった出版社を人前に連れ出して晒し者のようにする必要はないのではないか。
私は読んではいないが、元毎日新聞の河内孝氏の著書に関する書評で、毎日に居たときに書いたものと、辞めてから書いたものを比較しているものがあった(書評は新たなジャンルになりつつある。また別項へ)。退社後の方が新聞社のビジネスモデルとははっきり決別しているという。デジタルで食っていく他はないという決意を持たなければ目がひらけない。3月始めに Marc Andreessen が「生き残りたければ船を焼いて退路を絶て」とアドバイスした話があるが、一旦自分の過去を捨てて世の中を見ないと、新しいビジネスモデルを考えることはできないだろう。