投稿日: May 29, 2014 12:32:3 AM
都会から地方へのUターンとか、農業を見直すとか、脱サラ指向というのが時々話題になる。大企業への就活がうまくいかないなど日本の都市に仕事が減ってしまったからだが、中小企業にはいくらでも職があるのに、大企業に入れないで敗北感を感じる若者や親がいるということだろう。こういう人たちが描いていた豊かな人生が次第に実現困難になっていく。その理由は日本企業のグローバル化とか、求める人材の変化(特にIT化による)などがあるが、こういう環境変化に国民の意識がついていけないのが就活敗北なのだろう。しかし食えなくなるわけではなく、要するに考え方さえ変えればいいだけの話である。
今の日本は、大企業に入らなければ人生は敗北だと思う人には危機だろうが、多くの人がそう思っているとすると、いままで培ってきた日本人のライフスタイルが危機に面しているともいえる。それは就活だけでなく、ビジネスにおける価値観でも同じだ。音楽がネットのダウンロードや聴き放題によってCD売り上げが下がってミュージシャンが大変だという記事がいくつもあったが、これは実際は従来のレコード会社など音楽産業に金が入りにくくなって、音楽産業がプロモーションしにくくなり、ミュージシャンの売り込みが減衰するという話であった。つまりミュージシャンがプロモーションをレコード会社に依存していたのが、今までのようにお任せでは印税が入ってこないということである。
これは自分で営業するミュージシャンとかレコードに頼らないモデルを探して、ミュージシャンが自立的な活動をするしかないことを表している。もともと音楽とはそのようなビジネスであったことが忘れられているのだなと思う。
下の写真は現在のeBayにおけるアナログレコードの取扱量をみたもので、総数は400万件ほどある。そのうちジャンルのタグがついたものが140万件ほどあり、例えば R&B & Soul は21万、Rockは60万ある。アメリカ人口の黒人比率は13%ほどなので、人口当たりで行くと黒人の音楽は白人の倍あることになる。
これが創作の比重が高い45回転盤に限ると、R&B & Soul は13万、Rockは22万となり、黒人の音楽は白人の3倍あることになる。さらにまだ今のRockがない古い時代の78回転盤の時代には、R&B & Soul はJazz に含まれてしまって、要するに黒人と白人の音楽の比率は1:1になってしまう。
これらから黒人のミュージシャン比率が白人の何倍もあることがわかるのだが、黒人はそんなに音楽で金儲けができたのであろうか? いやそんなことはない。黒人のミュージシャンは昼間は何か仕事について働いていたのである。だから録音は夜間に行われることが多い。つまり生活の収入を得ることと音楽をすることは別次元の話なのである。
そこで日本で今、CDが売れないで食っていけないというミュージシャンが居るなら、働きなさいというしかない。それでも音楽は営々とやっていけることをアメリカの黒人音楽は歴史的に示しているのだから。
さらにアメリカで黒人の音楽が盛んな理由は、ベースとしてゴスペルがあるからで、この場合は教会に献金をしながら歌っているので、音楽収入どころの話ではない。収入目的の音楽はさっさとやめてもらえばいいように思う。