投稿日: Oct 07, 2011 12:56:11 AM
Steve Jobsは例えようのない人と思う方へ
10月6日は、Steve Jobs の名言や思い出がメディアを埋め尽くしたと思えるほど、私が見るものにことごとくJobsのことが載っていた。CNNも相当時間を使っていて、Steve Jobs の日本びいきと、日本人がAppleに尊敬を払っているというレポートをしているのもあった。当然twitterやfacebookもお悔やみや、自分にとってのJobsを思い出ともに語ることが多く、お葬式状態であった。それぞれが、ああそんなこともあったな、と同意はできるものの、Steve Jobs を一言で言い表す適当な形容詞がない。
Appleは Steve Jobs 自身がディレクションするものしか成功しなかったので、JobsというデザイナのブランドがAppleであったともいえるだろう。日本の電気屋に比べてAppleの商品数が少ないのはデザインが徹底しているからで、デザインを突き詰めて商品を絞り込むことの方が、春夏秋冬モデルを乱発するよりも難しいのだと思わされる。
Steve Jobs は、今まで無いものをデザインする人であったが、単なるデザイナーとちがい、工業デザインを超えて何をデザインしていたのか、彼のイマジネーションの範囲は他人の想像を超えた。 天才でもあったろうが、孤高の人ではなく、大衆に理解できるものを提供し、ビジネスも成功させた。
Steve Jobs は、カリスマ経営者とはいわれても、経営のウンチクは語らず、自分が神のよう思われることも避け、信者を操ることもしなかった。自分の発想のパターンが固定化してしまわないように、過去の自分を捨てながら、いつも新しい境地に立とうとしていたと思う。だから脱コンピュータを果たせたのだろう。そういう自分のメンタルなところを非常に重視した生き方をしていて、禅に凝ったり、結構宗教的な格言や言い回しが話の中に出てくるものの、特定の宗教には入らなかったようだ。
およそアメリカのビジネスの定石を踏まないSteve Jobsが現代のアメリカで最も成功した人といわれるのは、大変皮肉でもあり、既存の組織やビジネスを覆したい人はいつもJobsに勇気付けられた。Apple自身以外にも、こうした影響力を発揮した人がいなくなったことは大変大きな損失である。