投稿日: May 20, 2014 12:43:43 AM
中国の画像投稿サイトやblogには文化大革命に関するものが非常に多いように思える。その内容は個人の思い出とか、たまたま見つかった写真とかなので、一つ一つについて考察とか社会論があるわけではなく、誰かを批判しているわけでもなく国家を論じているわけでもないが、それらをいろいろ眺めていると、現代に生きる中国人の複雑な歴史観を思う。
決して文革をノスタルジーだけで語っているようには思えない。かつて文化財を破壊したり、粛清をしたこと、下方されたことなども、いろいろな資料に残っている。それらについてどう語ればよいのか難しい問題をずっとひきずっていると思う。しかしそれらに蓋をするのではなく、次々に資料が公開されていくのは、健全な方向に進んでいるといえるだろう。
第2次大戦後の中国は、戦勝したけれども内政に失敗して失脚状態だった毛沢東が、孫のような若者をたきつけて文化大革命を成功させて、今度は逆に政敵を失脚させていった。そこで失脚した鄧小平が毛沢東の死後に復活して開放政策を成功させ、今の中国の経済規模はアメリカに迫る世界第2位のところまで来ている。2020年のオリンピックの時には間違いなく中国が世界トップの経済大国になっている。
この間の世界を束縛していたのは冷戦体制であったのが崩れ、ソ連分解しロシアの第1党が共産党ではなくなるなど、環境がすっかり変わったので、今の価値判断で文革を一方的に悪者にすることは中国人にはできないようだ。また毛沢東も失脚寸前でも負けてはいなかったし、鄧小平も負けなかったというのも中国らしい。何十年かけても、世代をまたいでも戦い続けるという民族であると思える。だから過去の情報に蓋をすることにはならないのではないか。それは中国の情報だけでなく、中国をとりまく世界の歴史にも及んでいる。世界の中でも関係が深いのは日本で、日本に滞在した経験のある中国人は日本の情報も結構克明に記しているのがある。
たとえば、こんな、こんな、こんな、ものもあった。山口百恵も吉永小百合も重信房子も結構な情報があるという国は日本以外では中国しかないのではないか。 歴史や文化のアーカイブが何をもたらすのかについては、続編で。