投稿日: Oct 04, 2014 3:19:16 AM
ネットは馬鹿と暇人のものという譬えは極端ではあるが、現実にほとんどの書き込みや軽いニュースはどうでもいことであって、人がこれらに時間とカネを費やしているかと思うと気分が暗くなる場合がある。が、もしネットがなかったとしても(過去がどうだったか正確には思い起こせないのだが)、どうせそんなに「有意義」な日常を過ごしていたはずもないのだから、大差はないのかもしれない。強いて言うとマスコミの影響力が少し翳ったというのがネット時代の特徴なのだろう。しかし、ネットの上でのリテラシーが向上しているわけでもないので、マスコミを墓場に追いやるほどの力はない。
ネットのリテラシーについては、記事『SNSの次世代はあるのか?』で、使う側がtwitterやfacebookのサービスと組み合わせて十分刺激的な情報環境を築くことができるのだが、それは取材とか調査のプロのような人であって限られていることを書いた。facebookは利用者がグループ化されているのでターゲットを絞ったマーケティングに向いているとか、似たグループをまとめていくことが期待されたが、この両方共がうまくいってはいない。当然膨大な広告収入をもたらすようにはなったのだが、「ソーシャルグラフ」の活用で社会的な効用を発揮するところまではいっていない。
むしろ個人的にはつまらなくなってきたと最近は思っている。
twitterの方がSNSの利用度ではfacebookの後塵を拝した感があるのだが、情報伝搬という点では影響力が大きい。これはtwitterの方が広告とかバイラルメディアが関連付けにくいということも幸いしているように思う。御嶽山の噴火の場合でもtwitterに情報が現れるのが最も早かったし、ちょうどお昼だったので時々刻々と情報が伝えられる様子がtwitterで把握できた。twitterに関してはビッグデータ処理の投資が続いているので、その解析を元にした次なる情報サービスが出てくるはずである。きっと人的「まとめ」に代わる何かもあるであろう。そうするとニュースサイトよりは有利なものとなる。
むしろニュース配信系のアプリの方が先行きどうなるのかと思ってしまう。実際のところはマスコミのニュースに依存しているところが多く、一旦マスコミのデスクを経由したものや、パブリシティやニュースリリースなど、情報源としてはネット時代以前のものに依存しているように思う。
現在では事故や事件の画像映像は個人投稿に頼るようになってしまったように、twitterの延長上に新しいニュースメディアができる方が新鮮である。前記事では投稿されたテーマに関連したWikipediaのようなものやニュースソース、アーカイブが何らか自動でリンクしてくれるプラットフォームが考えられることを書いた。これはニュース記事の構造として、出来事の背景説明や文脈を解説する部分があるのに代わる機能になると思う。すぐにリリースできるニュースアプリを開発する他方で、こういう中長期的なプラットフォーム開発も必要だろう。
特にSNSでの炎上案件における殆どの野次馬投稿は出来事の基本的な認識ができていないものであることを考えると、出来事のまわりにどれだけ客観的な情報を並べるのかというのが課題になると思う。
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