投稿日: Sep 24, 2015 1:4:33 AM
画像や映像という2次元3次元の世界をコントロールするのにアナログ時代はレンズを使っていた。これには子供の頃からの謎があって、レンズを動かすと像の大小とかピントとかが変化するわけだが、レンズの焦点のところでは像はどうなっているのだろう?と疑問に思っていた。後にフーリエ変換面の説明があって一挙に腑に落ちた。こういう疑問をもったことはjpgやらmp3の理解の助けになっていた。
我々が目で見るものも耳で聞くものも波である。オリジナル画像に光があたって回折した波を、人が受け止めるで眼では干渉ということで結像している。こういう原理がわかって画像加工のソフトウェアは一挙に進展して行った。そして当初はデジタル化が難しいと思われた画像や映像は、世界のサーバーやパソコンの中で占めるデータ容量が相当大きくなり、スマホなどで日常的に使われるようになった。ネットでは類似画像の検索も容易にできて、知財権の問題なども新たな考え方が必要になった。
画像の技術開発という点では1980年代が最も賑やかだったかもしれない。その頃はUNIXなどのワークステーション上で行われていたことが、1990年代にはパソコン上に移り、2000年代にはモバイルに移っていったのだが、3DCGやバーチャルリアリティ以降はこれといった話題はなくなっていったように思う。
JPEG画像を拡大した場合の荒れである偽色ドット(モスキートノイズ)などが問題になって、圧縮解凍してもブロックノイズが生じないJPEG2000が前世紀末に開発されたが、デジタルカメラやWebでは使われなかった。
JPEG2000はJPEGの置き換えを目指したのだが、そうはならなかった。しかし4k8kといったデジタルシネマとか業務用画像配信や、いざという時に拡大したい監視カメラなど既に使われている分野はある。画質という点ではTIFFに置き換わるものであり、一部の動画のMotion JPEGの置き換えという意味もある。
平たく言えば一般向けにはJPEG品質で不満はないということであろう。JPEGを越えるものとして、マイクロソフトのHD Photoを元にしたJPEG XRや、グーグルのWebPなども話題にはなっていないように思える。
一般消費者にとってはどうでもいいかも知れないが、画像や映像を加工する側からすると、もっと高度な用途のための画像フォーマット開発は続けてもらいたいものである。