投稿日: May 20, 2013 1:23:22 AM
情報発信能力を高めるために
知人や親戚で、昔録音したカセットが聴けないとか、昔購入したVHSビデオが見られない、というのをデジタル化してCDやDVDにしてあげることが何年か前から頻繁にあるようになった。そういうことが簡単にできるアナログ・デジタル変換のグッズも売られていて、技術的には難しくないけれども、今後も見たり聴いたりしたいものの場合は、ある程度の補正をして、見やすく、聴きやすくした方がいいので、それに結構時間を費やしてしまう。
今となっては撮ることができない貴重な資料とか、故人をしのぶものなどで、おそらく今後も家族やコミュニティで受け継がれていくであろうと思われるものが、一般人の日常生活の中にもあったりする。だからこういった私的アーカイブも広く一般に行われる方がいいのだろうが、パソコンとソフトがあっても、編集とかポストプロのテクニックというのは別途必要になってくる。それを理解するのは本当は難しくはないのだが、今までの生活者のリテラシーはマスメディアなどに対する受身の情報リテラシーであって、人に伝えるための情報リテラシーという発想が欠けていたところがあって、ちょっとした意識の転換が必要だと思う。
販売されたVHSは完パケなので再編集は不要だが、複数のセクションに分けた方が見易くなる。ここではどう区切るかが課題で、ストーリーボードを考えてみることが必要になる。編集されていない撮りっ放しのビデオは、細切れにしておけば後に扱いやすいが、断片にどのようにメタデータをつけるかが難しい。単純に考えるならばファイル名にニモニックを入れておくような方法が簡単である。
映像はガンマやコントラスト、彩度がバラついている場合があり、それもセクションや断片の段階で補正しておくとよい。
問題は音声で、完パケビデオをキャプチャーしたあとで音声レベルが不適切であったら面倒になる。今は簡便なキャプチャはmpegなので、分離して合わせるとかそれに伴うズレ修正などが作業上必要になる。もっとも時間のかかるところである。
音声をカセットで採った場合は、デジタルで頑張ればすごく聴きやすくなって、情報価値も高まる。モーターに起因するノイズのカット、エアコンなど環境のノイズのカット、不要部分のカットとか、話者のエヘン・えー・あのー・紙めくり音などのカットをコツコツすれば、聴く気がおきなかったものが安心して聴けるものに変わる。
こういう作業の、before と after をどこかで教えればいいのではないかと思う。話し方などはきっと学校の放送部で何かやっているはずなので、そういったことも参考にできるとよい。これらは単にアーカイブ作業をするためではなく、今は最初からスマホなどによって、こういった面倒さはなくて、はるかにきれいでクリアなAVの質がえられるのだから、リメイク・撮り直しをした方がいいものもあるだろう。
つまり練習台としてアーカイブ作業を経験して、それからオリジナルデジタル素材にとりかかるような、情報リテラシー教育があってもいいと思う。