投稿日: Apr 01, 2014 12:44:39 AM
サラリーマン化した研究所
理研という組織もウィットに富んだところである。STAP論文の不正を認定し、きょう4月1日に最終報告をするそうである。巷ではホラが渦巻いている中で、なるべく目立たないように発表したいのかもしれない。この発表を揶揄したジョークも4月1日ではかすんでしまってあまり効力がないだろうという読みなのだろうか。
これは個人の問題ではなく組織的な問題であろうことを過去にも書いてきた。だから問題の決着は人事と絡んでくるはずだ。もともと組織的に急いで論文発表を行ったのは、新年度の予算確保と関係があったと思われる。つまり研究者個人は予算をとるために上司に利用されたと考えられる。
論文の中に写真の流用や加工などの不適切なところがあるのは、実験の回数がまだ少ないからであっただろう。だから本来ならば、もう1年でも2年でも待って実験データが溜まるまで発表させないのがこういう研究機関の姿勢であったはずだ。
もしこういった実験不足がバレないで世の中の絶賛を浴びて予算も獲得できたならば、誰が最も昇進・昇格できたかを考えると、どうしても4月からセンター長になるはずであった上司がこの騒動の中心人物であると思える。そういう人事の手筈は整っていただろうから、3月になって騒ぎが大きくなると理研の中は組織のリーダーシップをとるところが機能しなくなった恐れがある。
4月1日にどのような発表がされるのか見当はつかないが、単に論文を取り下げるだけではことはおさまらず、上司の管理責任の問題に発展することは間違いないだろう。しかしこの疑惑が起こって以来一度もこの上司は記者会見にも姿をみせず取材にも応じず表に出てこなかった。理研という組織はいまだにこの人を庇っていると思える。きっと何等かスター的な要素があったのであろうが、傍からみていると自分自身の昇進を第一に邁進してきたかのようにみえる。
この疑惑をゴシップネタにしてしまうのはよくないと思う。むしと前向きにSTAP細胞の研究にどう踏み出すかというところに、理研が何かを示せれば立ち直ることもできるだろうが、言い逃れや責任逃れに終始しだすと組織に大ナタを振るわざるをえなくなるだろう。