投稿日: Jul 06, 2015 1:29:58 AM
企画提案というのはロジックの部分と手練手管の部分がうまく合わさっていると効果が出る。ロジックの重要性はいくらでも強調したいのだが、やはりそれを相手に通すには、相手次第の要素を加味したアプローチ方法が必要になる。相手はいろいろ居る。業務の担当者と、その部門の責任者と、予算を司っている人とか部門と、役員・経営者である。一般の中小企業相手では経営者向けのものを考えればいいので、割とテンプレートになりやすいが、組織だった経営判断をしている相手では、何通りかのアプローチ方法を用意しておいた方がいいだろう。
つまり企画のロジックと、アプローチは別だということである。相手の会社がコストカットとか短期の実効的な成果を求めているのか、新たな方向性が問題で、何か別の大きな目的の中に組み込もうとしているのか、などによって訴求の仕方は変えなければならないだろう。
しかし現実にはそういうことは分かり難いし、実際には相手先の中でもはっきり決まっているわけではない。ただ相手の出てくる人によってニュアンスは異なっていて、本当のところはどうなのか判別できないことが多いだろうから、プレゼンしている時の空気を読んで、プレゼンシートごとに時間をかけたりはしょったりしているのだろう。
可能ならば相手の担当者から経営者まで一通りプレゼンをさせてもらって、あとは相手の社内会議に任せるのがよいだろう。自社と接点のあるところに密着して応援してもらおうと思っても、そこが社内でどれくらいの力をもっているのか、別の部署では他社の対案があるのか、など知り得ない要素がいっぱいあるので、筋の通した提案を各層に説明させてもらうのが最終的には立場は強くなると思う。
また最初のプレゼンで終わってしまわないように、まだ何か良いモノが残っているのではないかと思わせることも必要で、たとえプレゼンの結果として断られたとしても、相手の要望を入れて組み換えるから、もう一度プレゼンをやらせてくれと言えるようにしておかなければならない。
一般に最初に自社の事業紹介とか、最後に関連事業とかを説明する場合が多いが、これらも完全に会社案内のコピペの決まりきったものではなく、相手ごとに興味の持ちそうな内容をちりばめておく必要がある。しかも事前に調査ができれば、提案内容とは直接関係なくても相手が最も気にかけそうなものをちらっと見せておくなどである。もし自社に何の期待感ももたれなかったらこれで打ち切りになることでも、期待感があればまた次につながるからである。
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