投稿日: Dec 30, 2011 1:13:31 AM
単一アプリでは物足りない方へ
定期的に医者に行って検診や投薬をしてもらうのだが、処方箋の薬局も商売の工夫をしていて、サプリから衛生用品・健康器具などいろいろなものを店内に並べるようになっている。昨日はデジタルサイネージが1つ消灯になっていることと、商品として血圧計が増えたことに気づいた。これらが棚とかワゴンに乗っているのだが、それは店が用意したものか、ワゴンをひとつ置いたらいくらか家賃が入るのかはわからない。後者の現代版「富山の薬売り」はあり得るなと思った。それとデジタルサイネージでの映像だけよりも「現物」の方がインパクトがあるということでもあろう。
さて血圧計であるが、腕に巻くセンサー部分と、表示する部分に分かれていて、表示部分は過去の値がメモリされるようになっている。こうなるといっそbluetoothでiPhoneやAndroidに計測値を送ってもらってカレンダで管理できるようにしてもらいたいと思う。これは自宅での体重・体温計測などでも同じだし、医院での各種検査も本人にデータのフィードバックがしてもらえて、また投薬の「お薬手帳」などもみな1箇所に集約されていることのメリットを、待合椅子で思い巡らした。
つまりケータイ・スマホがもっともパーソナル情報機器であるとすると、パーソナルなデータで管理必要なものは一元化できるように大きな開発目標設定して、次第にそこに近づいていくようなアプリを継続的に出す会社はまだ見当たらないように思う。以前から万歩計付ケータイとか、ケータイ向け単語カード、Wiiの体重計など、単発のアプリはあるものの、それらを大きなテーマの元に関連付けて、さらに各データの関連を解析するアプリの開発へと進むのが時代の流れであろう。小さい単一アプリから、クラウドで専門的かつ高度な処理というところまでが連携することで、今まで途中で関所のようになっていた専用システムを軽減し、オーバーヘッドを減らし、見える化も進むというのが一般的なIT利用の進化である。
こういった話が理解されにくいのは、体重計アプリを開発しているところにとって、健康管理とかクラウド利用まで自分で負担しなければならなくなるのかと経営者が早合点とか勘違いしやすい点だ。今まで事業ビジョンとか長期計画を作る手伝いをして感じることは、直近のテーマと次のステップと会社の行く末という3段階の遠近さまざまなテーマを重ねて考えることが苦手な経営者が日本には多いことで、それからするとまだ東南アジア的だと思う。ならばあくまでも臨機応変に今を生き抜くスキルを高めた方がよい。要するにスピード感を上げることで、直ぐに始めて、さっさと見切りをつければよい。
しかし長いスパンの経営を考えるならば、時代の変遷に合わせて遠近さまざまなテーマを常に検討して修正しつつステプアップするしかない。電子教科書とか電子黒板とか学校にタブレット教材という流れも、企業内の情報システムも、一見すると別分野のように見えても、中期的に検討すれば共通のテーマは多くあり、抽象的な思考も必要で、直近テーマから中期・長期と自社の成長を描くにはよいテーマかもしれない。