投稿日: Dec 13, 2013 1:1:59 AM
決済のベンチャーの可能性
ネット上の取引で少額の決済の課題はパソコン通信の時代からあって、「投げ銭」とか話題になったこともあった。パソコンの世界ではシェアウェアという寄付的な習慣が出来上がった。以前紹介したことがあるが、何年か前に動画のフォーマット解析や変換のシェアウェアを提供していた中国人を観察したことがあるのだが、インターネット上では世界中から1ドルから10ドルの支払いが毎日数件あって、月間数万~10万円の収入にはなっているようであった。
このソフトはずっと手入れがされていって、今ではパソコン雑誌の付録DVDなどにも納められている。
Vectorを見てもすごく定番になったシェアウェアが結構沢山ある。逆に最近はPC用ソフトはあまり開発されなくなってきたのかもしれない。冒頭の中国人の場合は最初からPayPal決済をしていたので、世界を相手にできた。動画ソフトなので文字の問題も殆どない。ところが日本はPayPalを使っている人が少ないので、世界から少額を集めることは困難なのではないだろうか。
日本のECはカード決済は世界に通用するが、一般にはカード番号を相手に知らせることはなくなってきているので、国内は、ゆうちょ銀行、セブン銀行、ジャパネット銀行などが使われているようで、ここでもやはりガラパゴスか!と思わざるを得ない。
実際には宅配や郵便の代引きも多く、これらの企業は配送よりも代引きで収益を得ている状態であって、それが個人決済のネット化を遅らせている遠因でもあろう。
つまり日本には決済のベンチャーを産まない体質があったのだろう。これは元が銀行業務であって、非常に参入がしにくいところだったので、セブン銀行とか楽天銀行のように、あくまで銀行として営業せざるを得なかった。しかし少額決済という性質を考えると、収入としての現金の必要性とは別に、小銭入れのデジタル化・ネット化とおいう面があり、実態としてポイントやチャージと似たところがある。
だからこれらを発展させて収入と支出の両方ができるものを作ると、気楽に使える少額の決済になりそうに思える。
現在チャージを採用しているものは収入にはならないと思うが、個人が販売に協力するアフィリエイトとか還元・リベートなど、いつ発生するのか発生しないのかわからない収入がチャージとしてプールされれば、増えていく楽しみも味わえるだろう。PayPalはお金をもらう手段としても大変多く使われているのと似ている。
こういうネットで使える別財布の小銭入れは、さまざまな寄付にも適している。寄付には税法上の証明が必要な場合もあるが、「投げ銭」的用途ではワンクリックですぐにできるものは別のシステムの方がよい。
要は小遣い稼ぎも兼ねた決済にしていくことが、利用者の意欲を掻き立てることになると思う。