投稿日: Jun 18, 2014 2:4:56 AM
メディアの虚構性
日本の多くのビジネスマンが海外で生活をするようになった。そこではそれぞれ現地の文化があって、日本のビジネスマンが生まれ育った価値観から転換しなければ生活もビジネスもスムースに進まないことがいろいろある。つまり文化の多様性を肌で感じた日本人は、日本の歴史の中で最も増えたのが現在であるし、これからも増えていくであろう。
東京の中でも外人は多く暮らすし、彼らに対して日本の人は寛容であって、大きなトラブルは不思議なほど起こっていない。これは日本が古来から中国や朝鮮との交流の中で独自文化を築いてきたことと関係があるかもしれない。また日本国内に限っても沖縄から北海道までの生活の多様性があることも関係しているかもしれない。
韓国も世界にいろいろなものを輸出しているが、ソウルに行っても外人の姿を見る割合は東京よりもずっと少ない。欧米向け輸出は韓国や中国に押されっぱなしではあるが、東南アジア向けの日常品では日本の製品の輸出は好調である。おそらく食文化も観光客も日本と東南アジアはもっと交流が深まっていくだろう。クールジャパンの理想としては欧米への売り込みを掲げているだろうが、ビジネスの現実問題は東南アジアにフォーカスされている。日本国内で確立したブランドが海外で通用するところは東南アジアのほかにはないからである。
しかし他方で異文化と接するストレスというのも高まる。これは直接外国と接している人には避けられないことであるし、カルチャーショックというのがその人を創りかえて、ストレスを乗り越えた感性を持つようになることも多い。日本の歴史を振り返るとストレスを乗り越えた例も少なくない。かつての中南米への移民では半数くらいの人は挫折して帰国したようなことも聞いたことがあり、辛い思いというのも同時に残る。そういう方の日本観とか異文化に対する感覚がどのようなものなのか知りたいものだ。
不思議なのは私の親戚で第2次大戦当時に外地に行った人たちは、アジアの人々を嫌ってはいなかったのが、近年直接外国と接していない位の年代の人が噂に左右されて排外主義化してしまうことが起こっていることである。これはネットの情報とかアタマで考えた外国文化を嫌っているのであって、内弁慶というか遠吠えのようなものかもしれない。この傾向は日本だけの問題ではなく、どこの国でも共通であろうと考えられる。
以前に中国の反日デモはどのような人がしているのか、どのような場所で起こりやすいのかを調べたことがあるが、対日ビジネスに限らず海外ビジネスをしているところではなく、元国営企業が衰退しているとかドメスティックな理由のあるところが多かった。
異文化理解というのはなかなかメディアを通じて行えるものではなく、やはりカルチャーショックを経なければ2つの文化をバランスよく見ることはできないのだろうと思える。オヤジが中国バー韓国バーフィリピンバーでオネエちゃんと仲良くなると、東南アジアの視察旅行でも行ってみようかというようになるのも、FaceToFaceが先にあったからなのだろう。メディアの虚構性には注意が必要だ。