投稿日: Mar 26, 2013 12:49:22 AM
どこでも同じようなことをしていると思う方へ
マスメディアで報道されている内容をそのまま鵜呑みにしてしまうと、採り上げられた当事者からすると誤解になる場合もあるから、マスメディアで見たことを元に他人の批判をするのは危険がある。とはいっても、あまりにも繰り返し報道されている内容は、あながち捏造とはいえないだろう。そういうトレンドから今の日本の社会の特徴をうかがうと、いくつかのステレオタイプ化された動向がある。「ゆるキャラ」というのもその一つで、いろいろな区市町村でシンボル化されたものがある。かつてバブルのころに日本中にリゾートや遊園地を作っていたのから比べると、経費がかからず、また観光だけでなく特産物販売など地域起こしなども狙っている点では、進歩したともいえる。
しかしやはり日本人のすることだから、ヨソがやっているからウチらもやろう、という横並び思考は感じられて、「ゆるキャラ」とか地域起こしのプロジェクトがいろいろあっても特徴が乏しいのが現状だろう。「ゆるキャラ」は文字どうりコンセプトが尖がっていないので、地域で合意がしやすい茫漠としたシンボルなのだろうが、だからこそ、そこに大きな期待を抱いてしまうのは矛盾ではないかと思う。テレビの報道をみていると、「ゆるキャラ」で売上を伸ばそうと言うプロジェクトが紹介されたりするが、それは甚だ無責任な補助金の無駄使いではないかと思うものもある。
だいたい特産品で売上を伸ばすことと「ゆるキャラ」は何の関係もないし、もし本気で期待していたとしたら、ビジネスの本質を忘れているそのことの方が問題だが、イヤな予感がするところがある。それはWebその他でいろいろな情報発信ができるようになって、Webマーケティングだソーシャルメディアマーケティングだということが騒がれると、自分たちもそういうことをしなければならないという横並びの強迫観念が起こって、広告代理店ごっこのようなことを始めてしまう兆候があるからだ。当然これは成功しないのでしばらくすると沈静化するのだろうが、その間に回り道をしてしまって、無駄金も使うという点だ。
中小・零細事業者にホームページを作らせようという助成もあるが、やはり第一に考えるべきはどんなコミュニケーションをするか、であって、それは特産品ならば、良さを知ってもらうことだろうし、そのためにはユーザーの声を集めて紹介するなどが、「ゆるキャラ」とかで奇をてらったプロモーションをするよりも前に準備されていなければならない。逆にこれさえあれば「ゆるキャラ」がなくても販促はいろいろ考えられるわけで、例えば通販生活のカタログのような基本に徹した内容でネット販売がされていないとおかしい。
商品力を示す基本情報を揃えられないから、目立つプロモーションでカムフラージュしようという考えならば本末転倒で、そんなところに補助金など出すべきではない。