投稿日: Nov 30, 2015 1:9:52 AM
ICカードやオサイフケータイなどの民間の利用の発達では日本は世界から見てもとっても便利になっているなと思えるのだが、マイナンバーとか住基ネット・住民票・戸籍・パスポートなどの役所システムではとっても不具合は多く、非常にギャップが大きい。その結果、eJapanは発展途上国に比べてもビハインドな点も多い。だからITが活用できるかどうかは技術の問題ではなくなって、制度的な問題であるといえる。
記事『改良・改善では追い付けない』では、日本郵便の比較的新しいサービスであるクリックポストをとりあげたが、その後1年以上経ってこれが非常に普及したようには思えない。クリックポストは1kg以下A4サイズ強で3cm厚以下なら全国一律164円で送れるもので、通販時代にはぴったりの方法である。郵便配達をしてもらうのにオンラインで登録や決済をして、郵便局は配達以外はすべてコンピュータ上の処理になるために料金を安くできるシステムは、アメリカではあっという間に広まってしまった。そしてこの1年で中国からのSmallPacketも急速にこの方法に変わっている。
このクリックポストはお役所のような日本郵便がYahooと組んで始めたもので、当然ながヤフオクのデフォルト配送方法になるかと思ったのに動きは鈍かった。小さな荷物でも宅配で数百円の配送料を取るECが日本にはまだいっぱいある。どうも民間側にも何らかIT化が進みにくい要因があるとしか考えられない。冒頭の日本のeJapanの情けない状況も、それを許している国民側にも責任があるのだろうか?
巨額の費用がかかったはずの住基ネットもマイナンバーの普及とともに消えるという。なんという無駄をしたのであろうか。こういう無駄を日本国民は止めることはできず、何十年もダム建設をしているとか、焦点のボケた行政がまかり通っている。TPPで驚いたのは飼料米を作った方が高く買い上げてもらえるとかの話があって、働く人をバカにしているとしか思えない行政も止められないんだな、ということだ。TPPになっても米に関る特殊法人は減るようには思えない。
学力でもなく、イデオロギーでもなく、道徳・モラルでもなく、何か日本の特殊性がもう一つあるのではないか、と思わされる。
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