投稿日: Mar 02, 2015 12:42:32 AM
ネットの利用者が増えるにつれて、ネット上には怪しい情報の占める割合が多くなってきた。ニセ科学とか陰謀論とかヘイトなどの妄想を執拗に投稿する人がいる。例えばtwitterで何か事件のキーワードで検索すると、1時間おきとか1日に何回か、同じ妄想を投稿し続ける人が居て、それをまたretweetする人が居るので、tweet表示の多くの部分が妄想で埋め尽くされたかのように見える。しかしその発信源はそれほど多くはない。つまりそれらの人は意図的にtweet表示の乗っ取りをしようとしているのだろう。
もう少し巧妙になると、マーケティング手法とかバイラルメディアのように、人がひっかかりやすい題名のBlogなどを先に作っておいてtweetで拡散するような、「震源地」的デマがある。これは健康のニセ科学とか陰謀論・ヘイトなどに多い。これらの元blogもネット上の断片的な情報の組み合わせで成り立っていて、基本的には誤解の塊のようなものだ。
1枚の写真、どこかの記事の断片など、それだけからは確定したことは言えないものでも、それらを証拠に掲げて仮説(妄想)に根拠づけしたがる。こういった類の行為は調査活動よりも広報活動が先行してしまっているものなので、普通の報道機関ならしない姿勢である。
そういうことも「マスコミが伝えない」とか「マスコミは真実を隠している」とかいって利用している。日本の出版界もこういう検証不十分な怪しい情報源に乗っかって本を出すことがよくあるので、ネットだけの問題とは言い切れないのだが、ネットで「聞きかじり」「思いつき」情報が拡散しやすく、旧メディアにおいてはそれなりの権威を持ち得たような地道な調査とか本来のキュレーションが負けてしまっているなと感じる。
ある意味ではニセ科学や陰謀論やヘイトは孤独な指向であって、公式に社会的にはとりあってもらえないものだから、かえってネットで拡散しようと一生懸命に頑張っているのだろう。
「怪しい情報」と人に思われるものは、その内容に論理の飛躍や矛盾があるもので、よく読めば気が付く人もいるのだが、大抵の人は良く読んでいないか、見出しだけしか見ていないので、自分の主観と一致していそうならば「いいね」を押すとかretweetしてしまい勝ちである。
読んで怪しいなと思ったら、おそらく大抵の人はWikipediaなどを見て、参照するに値する情報かどうかを吟味するだろう。Wikipediaも完璧なものではないにしろ、一つのフィルタの役割は果たしていると思う。またQAサイトもベストアンサーなどを最上位に表示することで、怪しい情報のフィルタの役割を果たしている。
しかしニュースの場合はWikipediaやQAが用意されていないテーマが次々に出てくるので、怪しい情報に引きずられやすい。ISに殺害された後藤氏がパスポートにjogoと記載されていて在日説が出た時に、田母神氏は「そうなのか」とtweetしていたが、検索すれば奥さん側の籍であることは分かったはずである。自分で調べる習慣がデマから自分を守ることになるだろう。
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