投稿日: Dec 10, 2012 12:14:36 AM
これから大変化があると思う方へ
日本の2012年のeBook事情を一言で言えば「黒船は優しかった」というようなもので、表立った反発も無くグローバルなeBookに対して日本は開国した。それまでのガラパゴスなフォーマットも次々とEPUBに変換されている。しかしまだ新刊に関しては圧倒的に紙に比重が置かれていて、eBookコンテンツが先にブレイクするというような現象は起こっていないし、ネットでの販売に向けたマーケティングもまだ微々たるものだ。
技術面ではEPUB3は既存のデフォルトとなったものの、次にHTML5とEPUBの進化系というのが何処に向かうのかとか、eBookリーダーの仕様や方向、クラウド利用などが漠としている。
経営的には価格設定とエージェンシーモデルと卸モデルが並存していて、出版社は否応無く価格問題に関与せざるを得なくなった。マス市場向けの場合と専門分野で考え方は異なるであろう。
タブレットが十分安くなったのに電子雑誌が立ち上がらないのは従来の媒体広告のビジネスが適用できないからである。電子出版と広告の関係はまだ見えない。
著者からするとeBookのグローバルなプラットフォームを利用する場合に、収入に対してどこに納税するのかという問題がある。著者側のサポートサービスというのは日本ではまだ発達していない。
権利問題では、日本の出版社の隣接権が話題になったが、世界的に見て通用するものなのだろうかという疑問がある。
このほか、記事『ボーンデジタルな出版に向けて』で採り上げたeBookの次ステップに向けての課題がいくつかあるので、今年Ebook2.0 Forum+Mediverse共催で行ってきた電子出版再構築研究会オープン・パブリッシング・フォーラムにかかわってくださった方と、2012年の総括と2013年に重要と思われるトピックスについて話し合う会を以下の要領で開催します。奮ってご参加ください。
タイトル:電子出版2013年のトピックス予測
日時:2012年12月19日(水) 16:00-18:00
プレゼン:研究会でパネラーをしていただいた方々
ディスカッション:重要トピックス
会場:ポーラ・メソッド 東京都渋谷区桜丘町31-14 岡三桜丘ビル8階(渋谷駅徒歩8分)
費用:無料