投稿日: Mar 26, 2016 12:22:2 AM
日本の若い人のコスプレやコミケなどサブカルを世界に紹介するのとともに、キャラ弁とかチョーク画とか可愛いい系の食べ物やグッズも紹介されて、人目をひくことがある。それらを見た世界の人が何らかの刺激を得たとしても(殆どの人にとっては刺激にはならないであろうが)、なぜ日本人がこういう余計な事をして遊んでいるのかはなかなか理解できないであろう。
サブカルは若い人のやることのように思われるが、おそらく日本に昔から引き継がれている要素が現代的に装いを変えただけで、文化的ルーツは古いと思われる。漫画にしても江戸時代の黄表紙とかに通じるところは大であるし、サブカルのシナリオについては1000年受け継がれてきた源氏物語も影響しているかもしれない。
弁当に彩を添えるとか凝るのも、お節料理とか松花堂弁当に通じるところもある。私の母の世代は花嫁修業にお花とか料理、裁縫などをしていて、そこで求められたのは主婦は家事を事務的にこなすだけではなく、家まわりでも料理でも身に着けるものでも、見てくれに関して主婦が司るというものであった。
キャラ弁とか可愛い動物パンなどは当時の日本は作る余裕がなかったわけだが、もしその時代の若い主婦が今を生きていたならば、似たことはするかもしれないと思うことがある。私の婆さんは茶道をしていた関係で、子どもの私が茶菓子を買いに行っておすそわけをもらうようなことをしていたが、和菓子というのも手の込んだきれいなものであったし、またお茶をするとなると玄関や床の間から便所の一輪挿しまで花を生けていて、女の人には見てくれを管理する能力が備わっているのだなと思った。
しかしよく考えるとそれらは自然なものではなく、日本独自のものであり、海外からは分かりにくいところがあるだろう。やはり日本に文化として根付いたものであって、きっと地域差もあったであろうし、凝り方の程度もいろいろだったと思うが、日本人はそれぞれ何かを受け継いで暮らしてきたので、今日的な表現が生まれたと考えられる。さらにBlogやSNSに自分の作品を容易に載せられるようになったので、表現のやり甲斐が増えたのであろう。
こういう現代の日常的生活アートとでもいうものを通じて、お茶やお花、あるいは日本料理の正道に関心を持つ若い人が出てくるとおもしろいと思う。同時に日本の伝統文化の担い手も若い人との接点を探るべきであると思う。
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