投稿日: Dec 01, 2010 12:3:42 AM
メディアの新しい時代を感じる方へ
これから活動を始めるMEDIVERSEの主旨に賛同する方を募っている。そこでもう一度何をしようとしているか整理してみた。
MEDIVERSEのサイトで主旨を書いた「明日の技術、明日の経営」では、アメリカのベンチャー企業の評価をしてきた Mary Meeker氏の考えていそうなベンチャーを量る尺度を挙げた。「メディア」という人間に直接働きかけるものに興味をもつと、ビジネス的にもいろいろな展開が可能になる時代を迎えている。しかしそれは20世紀に発展したアナログメディアのビジネスの延長上にはない。21世紀に入ってネット上のデジタルメディアは、それまで予想もしなかった全く異なる発展を始めた。そこにMary Meeker氏も目をつけている。
20世紀末に爆発したIT化は企業活動の改善・革新に貢献したが、21世紀に入ってからはそれに加えてコミュニケーションのような個人モードにも貢献し始めて「ICT利活用」という呼び名も現れた。しかし日本の既存メディアビジネスはIT化が不完全なままでICTの時代に入ってしまったために、アメリカとのギャップが拡大して「黒船」騒ぎのようなことが起こった。だから日本がメディアに関連するビジネスをする場合には、従来考えているよりも大胆な変革を覚悟しなければならないし、あるいはこの分野には大胆な新規参入が起こる可能性もある。
前世紀の日本は技術主導という楽観主義があったが、それでは世界に打って出れなかっただけでなく、国内的にも経営が成り立たないところにきている。メディアが独立した世界として存在したのは20世紀までで、今はITを仲介にビジネスそのものとも深く結びついたからこそ、新たな可能性も拓けている。だから今後をポストメディア時代として区別して考えたほうがよいだろう。つまりアメリカを見て変化するテクノロジを追いかけるだけではなく、先にIT化があって変化した経営環境や利用者の環境を追い風に、少し先の社会変化をトータルにとらえた現代的な経営を身に着けた新たなメディアビジネスになる。そうなれば変化に翻弄されて沈没するリスクを避けることもできる。
MEDIVERSEは、こういった指向でビジネスを担おうとする経営層・事業責任者のために「次世代メディアビジネスプログラム」を準備している。その中心となるのは、ポストメディア時代のビジネスモデルの考え方、メディアのアーキテクチャの考え方、ポストメディア時代のマネジメント、ポストメディア時代のマーケティングである。それらと平行して、クラウド化する社会、モバイル化する社会、企画力開発と情報活性化、情報社会とジャーナリズム、などのテーマを取り上げていく。
まず2011年の動向を予測することをキックオフイベントとして、2010年12月14日(火)に行う(無料 http://www.mediverse.jp/)。メディア関連事業をしている各社の2011年計画のために参加をお勧めします。