投稿日: Oct 13, 2015 1:22:23 AM
ツタヤへの図書館業務委託にまつわることが最近よく取り沙汰されているが、それらの問題はどう考えても発注している教育委員会(?)に責任があるように思う。ツタヤのやり方に問題があるのかどうかを判断して指示するのは行政側であって、生活者が直接ツタヤに文句をいうような筋合いではないはずだ。
民間業者には文句がつけやすいが、行政には文句は言えないような機運があるのだろうか? 図書館を良くしたいと思うならば、何をなすべきなのだろうか?
海老名市の市議が、「海老名市教育委員会のリストにある全8343冊のうち、料理の本が4126冊と約49%も占めていました。一方で、文学、社会科学、海老名の郷土資料など、公共図書館の蔵書にふさわしい本は皆無。」と発言していて、内容は教育委員会は承知していたことになる。つまりこの図書館業務委託は内容の問題ではないところに鍵があるように思える。おそらく図書館の在り方なのだろう。
結論からいうと、従来の図書館も、ツタヤ流の図書館も、どちらもあっていいように思う。郷土資料などの保存や開示と、市民が図書に親しむことは別次元の話なので、ひとつの公共図書館ということで何もかも背負い込むのではなく、多様な小さい図書館を用意する方が豊かな感じがする。
海老名には郷土資料館「海老名市温故館」というのがあるようだが、ホームページを見ると遺物とか現物の展示が主体で、図書室はないかもしれない。こういうところに図書室を設けるとか、あるいは電子的なアーカイブを作って公開するとかで、資料館自身も充実するだろう。
ツタヤが行政に行った提案がどのようなものかは知らないのだが、料理本が半分とか占めるのは、何らかの図書館コンセプトがあってのことだろうから、それが受け入れられるかどうかは、ツタヤが自費で私設図書館を作って利用者のニーズに合っているかどうかを検証してから、行政側は判断すればいいように思う。
つまり行政側は絵に描いた餅を受け入れる必要はないので、やはり行政側の姿勢が問われている。むしろ行政側はツタヤバッシングを利用して、自分の落ち度を民間業者のせいにして責任逃れしてしまうかもしれない。図書館問題が契機で地域行政への関心が高まることになるのだろうか?