投稿日: May 07, 2015 1:9:26 AM
「簡単にホームページが作れる」とか「SNSで誰でも情報発信」ということは10年前のWeb2.0の頃からさんざんにいわれていたことであるが、今日振り返ると、どうでもいいことでは実現し、役に立つべきことでは実現していないとことが見受けられる。つまりネット情報はエントロピーの増大とかノイズまみれという面が目立つ。当然ながら有用な仕組みやサービスは有難く利用させてもらっているのだが、それらがどんどん広がっているかと言うと、必ずしもそうではない。
しかし発展途上国では電子政府も含めて社会的な情報流通は驚異的に改善し、おそらくエントロピーの増大というようには感じていないのではないかと思う。つまりWebの停滞はかなり日本固有の問題と言ってもいいかもしれない。いや実はWebの問題ですらないかもしれない。
マーケティングではネットでの顧客対応が課題であるといわれたが、顧客と双方向の窓口を開いている日本企業はまれであろう。メールの連絡口を用意していてもいつ返事が来るのかわからない。少なくてもネット時代になって生活者からのフィードバックを大いに取り入れている様子はない。
これはネット云々の問題ではなく、元々日本企業の多くは顧客対応をコールセンターに丸投げをしていたために、社内に対応できる人とかノウハウが少ないからだ。昔の営業マンにはセールスレターの書き方というような項目もあったと思うが、今はどうなっているのだろう?日本人は個人的には情報発信は増えたものの、企業人としては情報発信は増えていないのかもしれないと思う。新製品や新サービスのニュースレターもなかなか書きづらいようだ。特に中小企業では結局社長がやらざらなくなって、遅れ遅れになる例をみている。
広告代理店と取引している場合は、代理店側でニュースリリースの代筆をしている場合もあろう。それが無いことにはカタログ制作もキャンペーンも始まらないからだ。しかしそのように企業が外部の能力に依存していていては、結局はマーケティング能力も商品開発力も劣化していくのである。つまり社員の情報発信力の低下は、経営側の怠慢なのではないか?
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