投稿日: Jun 06, 2010 2:19:10 PM
黒船以外にもアメリカの底力を感じる方へ
子供の頃にアメリカがアポロ計画で月に人を送り込む様子をニュースなどで眺めていて、本気でこんなことをするんだ、というトンデモな感慨があった。その後もヒトゲノムの解析、最近では脳波の解析など、短期にはできない、また単一企業ではできないようなトンデモなことを、コラボレーションと競争を交えながら積み重ねて実現してしまうのがアメリカの底力に思える。
情報関係では、ビルゲイツの「Information at your finger tip」は、インテルやWebの興隆とともにほぼ実現したし、internetそのものもかつてはトンデモ構想であったわけだし、Googleの「何でも検索」もGPS・地図・航空写真・StreetViewなどの組み合わせが実現し、デジタル情報以外に Google Books その他次々に領域を広げてきた。現代においても月旅行のようなトンデモ構想を追いかけるアメリカ人の姿は変わっていない。しかもそれが先端ビジネスになるようになってきたのである。
また今日いろんなところが取り組みだしている Social Technology も似たものと考えられ、夢のような理想主義の壮大な計画のようだけれども、10年とかかかって「トンデモ」と思われていたことが実現してしまうのであろう。twitterにしてもYouTubeにしてもどこかでマネタイズは必要だが、彼らは彼らのトンデモ構想を捨ててマネタイズに走ることにはならないことを、先日のTwitterのAPIタダ乗り広告禁止に見て取ることができる。
このことから、日本のIT関係のビジネスとかマネタイズの視点では、絶望的なくらいに途方もなく難しい非現実的なことに取り組んでいる秀才がアメリカにはいっぱいいることを覚えておこう。つまり広告やビジネスに Social Technology を組み込んでナンボ儲かるという話はほんの表層の話題で、その奥にある「壮大な計画」にはまだ日本の多くの人は気づいていないのだろうと思う。このことは改めて書きたいが、ヒント的に例えるならば、国政選挙の際に有権者に対する事前調査や投票所での出口調査が行われて、開票率が数パーセントでも当選確実が出たりするのはなぜか?
もし企業のマーケティングも同様のやり方が適用できるならば、失敗やごまかしを減らせるのではないか。今広告業界が Social を使った広告モデルをいろいろ考えているとは思うが、もう Social の応用は広告という狭い分野を超えて、経営そのものに深く関係するようになるといえ、それだけ Social Technologyの影響力は大きいものとなる。