投稿日: Apr 17, 2015 1:26:38 AM
日本のAVが世界的に評価されているというが、中国などでは海賊版が出回っているのだろうから、評価とビジネスはかけ離れている気がする。全世界的にはどのくらいの市場があるのだろうか? これは日本のコンテンツを世界に売る場合のヒントにもなると思って、ざっとAV海外進出の経緯を調べてみた。Wikipediaのジャポルノの項によると、
前史 : 1990年代 日本のアダルトビデオをアメリカでオンライン販売
「アメリカで販売されるポルノ」の中の「アジアもの」の中の「ジャパニーズ」作品
21世紀 KOKESHI アメリカ、ヨーロッパを対象として制作されて、海外マーケットで初めて受け入れられる。
著作権・肖像権を侵害した裏ビデオと明確に区別するために作ったのがジャポルノということば
「海外販売の了承を得た出演者を用い、海外で撮影・販売する」という事業形態
となっていて、要するにアメリカのポルノ産業の基準では合法的にビジネスできるものということになる。
現在流通している日本のAVのうち、上記に該当するモノがどれくらいの割合を占めるかは疑問ではあるが、この路線で大成功をおさめたビデオ出版社があることは事実だ。その代表的なレーベルの設立時期や活動期間をざっと見てみた。
ちゃんとした資料ではなく目分量のところもあるが、いつ頃からこのビジネスが立ちあがったのかがわかる。KOKESHIというのはAMORZという会社の一レーベルで、この会社は多くのジャポルノのライセンスを集めているようである。それらはDVDフォーマットで、その直後にできたSKYHIGHも同様にDVDのレーベルをもちつつも、オンラインのAV視聴サイトにコンテンツをライセンスしている形態である。これらの創設時期は2003~04年で、矢印が2012年のところにつけてあるが、現在でもビジネスをしている。10年以上続いているというのはビジネスとしては本物といえるだろう。
2005年くらいからDVDではなく、オンラインの視聴が先行して、あとでDVD発売をするように変わっていったようで、XVNとうのは止めてしまっているが、caribbeanというのが現在のトップである。実線の棒がDVDレーベルを指す。caribbeanは当初オリジナルコンテンツであったようで、それをDVDにしていたが、同時に他のAMORZなどのコンテンツの配信もしていて、どちらかというと配給の会社であるようだ。一方活動をやめたようにみえるXVNは制作プロダクション的な存在であったのではないかと推測する。
ジャポルノのレーベルも作品数も数えきれないほどあり、またそれらを拝借した海賊版ビジネスもDVD・オンライン共に盛んであるが、アメリカではデジタルミレニアム法でポルノであっても海賊行為は相当抑えられるようになってきた。つまりオンライン化でこのビジネスは伸びてきたわけだし、今後も合法化される地域が増えれば法の力で海賊行為が減る分だけ伸びていくと考えられる。
コンテンツの海外進出という点で考えると、日本のAVとはいってもジャポルノは欧米視聴者に合わせて撮り直しをしているので、純粋国産コンテンツとは言い難く、他のコンテンツでもやはり市場調査・マーケティングをしないと売れないということだろう。またしっかりした配給会社が必要で、単に作るだけのプロダクションでは長続きしないことも示している。
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