投稿日: May 31, 2011 2:0:30 AM
ネット上のサービスが廃れる時を考える方へ
facebookユーザが7億になろうとしているのに、twitterには翳りが出てきたというニュースもある。しかしリアルタイムでオープンなtwitterとお友達周りの情報しか入らないfacebookでは、比べられない要素も多くある。どちらがメジャーになるかというと、個人に身近に感じてもらえるfacebookの方だろう。しかし利用者数が多いとは言っても、それが有効なのは今までマスマーケティングをしていたようなところであって、特定テーマで横断的に情報を流す必要があるときには、まだfacebookは向いていないかもしれない。今でのtwitterからのfeedがあるのだが、利用者の多いfacebookをプラットホームとして、新たなコミュニケーションのツールが生まれてくる可能性はある。
人々がネットを利用するようになった頃、最初はデータベースサービス提供に力を入れていたが、次第に掲示板の利用の比率が高まっていき、それが次々いろんなデジタルメディアを生んだし、これからもその延長でいろいろなことが起ころうとしている。今は掲示板はメジャーではないかもしれないが、Blogのコメントであったり、写真や動画の投稿サイトであったりと、ガジェット化して使われ続けている。
掲示板の流れで成功したものに、QAサイトがある。インターネットの利用目的に、身の回りでは分からないことを調べるとか探すということは多いので、自分と似た質問をしているQAのスレッドは助かる。QAサイトはそこを使ってくれる人の親切さや感謝というのを引き出すように工夫されているわけで、よく知っている人が丁寧に説明をしてあげることで価値を発揮する。こういったヒューマンな設計は重要だと当初は思ったのだが、最近はAnswerの質がずいぶん落ちた気がする。つまりインターネットの利用者が増えるに従って、よく分かりもしない人がAnswerすることが増えたわけで、このことは当初は想定していなかったと思う。
FAQというのは何の略語だか説明不要だと思うが、本音は「クソな質問」であったことは発音してみればわかる。今となっては「クソな回答」しかないスレッドをどうするかというのが問題で、このままほって置くとQAサイトは破綻してしまうのではないかと思う。例えばで言うと、自分で回答は出来なくても、あの人なら回答できそうだという人を、質問者に紹介するような、たらい回しをうまく出来るといいかもしれないし、名回答の評価を集計して、どの分野ならどこの誰に聞け、というチャンピオンを導き出すシステムというのもあるかもしれない。難題のたらい回しを迷惑にならないようにさらっとやってのけることは、ソーシャルメディアで可能かもしれない。
ネットやITの利用というのは機器操作とは異なって、利用者のリテラシーの積み重ねによって、次第に高次なものになっていくことを記事『成長の鍵はソフト化・サービス化』で書いたが、デジタルメディアも新陳代謝で古いものを破棄するのではなく、古いものの欠陥をカバーしていくような方向で進むのだろう。
関連セミナー : Facebookアプリ制作の現状を学び、今後の可能性を探る 2011年6月24日(金)