投稿日: Dec 04, 2014 1:15:28 AM
今年は日本国内は大きなニュースが無かったように思える。年末の総選挙も結局は大した争点はなく、それは自民党が続投の足場を固めるためにやっているとしか思えない。短期の経済だけに取り組む政治のままだと、よく言われるように我々の子や孫の世代には日本の国際的な地位は下がって、やる気のある若者は国外に出て行って活躍することになる。日本には前向きに活躍する場がなくなっていくからである。
日本の今までの蓄積や地位を利用して何かできるのは東アジアを舞台にしたところしかなく、そこに民間企業は出て行っているわけだが、国としては東アジアに対して大したことはできていない。東アジア諸国が中国に何かを期待するのではなく、日本に期待を持ってもらいたいならば、各国のエリート層との人的な交流をもっと活発にしなければならない。
以前書いたことがあるが、コンピュータの文字コードやフォントや入力方法など、各国の言語に相応しい方法が確立していない国も多くある。そういう情報インフラを手伝うのも有益なはずで、すでに外国語大学などでは、それに似た交流をしてきたところもある。アジアの情報インフラの共通問題に日本が貢献するというのが一番の早道であろう。
そういった活動を通して、アジアの留学生は日本文化の理解をするし、お互いの文化理解の上に人間的な無理のない交流も生まれて、よいコラボレーションができるようになるだろう。これは前職場がアジアの支援事業をしていた関係で20年以上前から考えていたことだが、その後にインターネットの普及とかWindows95におけるようなITのインタナショナライゼーションが実現してしまったにもかかわらず、文化交流に関連したビジネスとしては大きな変化は起こっていない。
今まで日本がアジアに対して行ってきたのは「現地生産」が主であったのだが、デジタル+ネットの特質を生かして文化交流をすべき段階にきていると思う。漫画やアニメのサブカルに関するイベントはアジア各地で持ち回りで行われるようになって、若い人のpopカルチャの共通性は大きくなってきた。まだ言語の壁はビジネスの障害ではあるが、ボランティアでできることも考えればいろいろ出てくる。日本の不要になった本や雑誌を海外に送り出すようなことをしているのなら、ネット上のコンテンツでもCoolJapan機構の手を借りずとも何かできそうに思う。
ネットでフィリピン人から英語のレッスンを受ける時代なのだから、日本からネットで日本語を教えることもできるだろうし、ボランティアならお礼は金銭ではなくて、別のかたちのものでもよいはずだ。まだそれほど活発とは言えないが、今年カタコト外国人向けの求人情報サイトが登場した。飲食店のバイト君たちは各国の人が一緒に遊んでいるような感じで、学校というよりも遊び半分の交流も可能だろう。日本がアジアの情報インフラを手伝うにしても、生身の人間同士の交流も手厚くしておくのが、日本流「おもてなし」ではないだろうか。
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