投稿日: Oct 20, 2012 1:53:38 AM
Webに発展はあるのかと思う方へ
Web制作は1990年代にHTMLのコードを含めたテキスト編集として始まって、1990年代の後半には後のHome Page BuilderとかDream WeaverのようなWysiwygツールが一般化し、世紀末からコンテンツをデータベース化したWysiwygツールがCMSとして登場し、また全然HTMLを編集しない完全データベース型のECサイトのような自動組版的な制作が現れた。今は実利用数としてはCMSが主流になっていると思うが、それはいつまで続くのであろうか? CMSにどのようなリスクがあるかを考えると、コンテンツがCMS固有の情報管理に縛られてしまって、別のシステムに移行することが困難な点だ。多くのCMSが無料とか低額で提供されているために、サイト運営者はシステム提供者に何の改善要求もサポート要求もできないので、ある日にそのCMSがオワってしまったならば、サイト運営者は路頭に迷う。
「本文」に関してはタグつきでテキスト保存できるが、レイアウトは最終的にはCSSとして本文について配信されるとしても、レイアウトのエディタは各CMS独自なので、結局レイアウトは取り出して保存できない。利用者名簿もDBから取り出せたとしても、いろんな設定は失われる。どのようにCMSの運営をしていたのかわからなくなる。他のCMSに引越しをするには、事前に旧CMSの管理画面をコツコツ保存しておいて、他のCMSに全部手動でコンテンツをいれなおし、設定しなおさなければならない。過去に数年分1000日のデータがあったらどう復元するのかなどを考えると、CMSはダメモトのような使い方しかできないことになる。
またWebの情報発信とはいってもECとの関連やSNSとの関連などが求められていくと、CMS側が何らかのインタフェース部分を用意してくれないことにはサイトの機能が追加できなくなる。過去からRSSやトラックバックなどの仕組みもあったが、結局それらは遺物のようになってしまった。要するに独自設計しているWebサイトに比べると1周遅れのようになってしまう。Webの独自設計する能力はIT能力そのもので、ECやコミュニケーションの設計能力と同等である。
ITにはあまり深く関わらないで何とか工夫して、いろいろなWebアプリを連動させて動かそうとしても、オープンソースの罠のようなものがあって、各アプリケーションが決めたタイムアウトやバッファサイズがうまく連携せず、テスト段階のようなアクセスの少ないときはうまく動作しても、アクセスが増えた段階で同期しないでハングしてしまうことがある。それを避けるためのチューニングは専門家でないと大変なことになり、システムが安定的に使えるようになるのはコードの開発期間をはるかに上回ってしまう。そんなこともあってWebの発展の次の段階はマッシュアップといわれてからだいぶ経つ。Web技術が何らかのソリューションをもたらすということはなく、Webは応用とかサービスなのだろう。
結局Webというところには固有の技術はなかったようで、単なる通信利用の一面でしかないのかもしれない。