投稿日: Aug 03, 2010 11:34:30 PM
SNSの親玉になってどんなメリットがあるか、と思う方へ
今年5億人に到達したFacebookは、ネットビジネスとしても新記録であるだけでなく、人類史に於いても異変といえるものだろう。FacebookはSNSとしては後発であるが、先発の利用者が続々移行してきたこと以上に、ローカルSNSの弱かった人口の多い新興国が1000万人単位で育ったので、国際的なSNSというかつてないサービスになった。しかしFacebookのようなビジネスは広告で大きく稼ぐものではなく、利用者が5億人居ることがどうマネタイズするのかわかりづらい。今はゲームやアプリなどで活況を呈し、それらがいっぱい集まってくるプラットフォームになって、個人の自分用ポータルのようになっているが、ではそれが一段落したら、何がFacebookのコア機能になるのだろうか?
ここでは私的な憶測でFacebookが何を目標としているのかを考えてみたい。まずSNSというものは『囲い』であると同時に『出会い』という相反する機能を併せ持つものである。とはいっても1個人がつきあう範囲には限りがあって、5億人にリーチできる必要はないだろうから、そのデータの活用に何か狙いがあるはずだ。私個人はFacebookのアカウントはあっても殆ど使っていないので、よく知らないまま書いているのだが、Facebookは自分のボットで個人情報を集めまくっているように思える。これはGoogleが世界中のホームページをクロールして検索サービスをするのと似ていて、そこからすると生きている人類すべての索引を作ろうとしているのではないかと推測する。
だからFacebookが実現するかもしれないこととして、例えば『高校では卓球部にいた酒屋の息子の中村は、今何処で何をしているのだろうか』というような人の検索が考えられる。これらは個人の情報がいろいろ必要なので、5億という『囲い』の中ならば処理しても問題ないだろう。ところがGoogleのようにオープンなシステムで勝手に個人情報を管理していると、文句が出るのは必須である。しかし実際は何億人もいると『囲い』の意味はないのだが。
Facebookに加入する時に、個人のPC内にあるメアドをスキャンして既存のメンバーとのマッチング処理をして、友達にするように勧める処理をしているが、個人が管理するメアドなど、『囲い』のある個人情報も、複数の『囲い』を連結して芋ツル式に処理することで、実質的に『囲い』はないのと同等のことができることを、最初から考えていただろうと推測する。
アメリカの大統領選挙では、いろいろなメンバーリストと投票権のある人のリストを付け合せて、支持者になりそうで投票権のない人を探し、その人に登録を勧めるという処理を1000万単位でそれぞれ行っていて、Facebookの増大はそれと似た雰囲気がある。
このようにFacebookは『囲い』の仕組みで信頼を得つつ、人の検索による『出会い』あるいは再会という機能を独占的に提供することを狙っているのではないかと、夏の寝苦しい夜に考えていた。